2013.07.07 05:58デザインの力を社会に活かす社会や暮らしにおいてデザインはとても大切。同じものでも、デザインひとつで、その魅力や使い勝手、人の気持ちも大きく変わります。デザインというと目に見える何か形のあるものを思い浮かべますが、デザインには目に見えるものだけではなく、目に見えないデザインというものもあります。それは、モノを作ったり、サービスを設計したりする上での、理念やプロセス、設計思想といった分野です。この目に見えないデザインは、目に見えるデザインの良し悪しを左右する、とても大事な部分です。さて、日本では、デザインは、大事とは言われながらも常に二の次にされてきたのが現実です。日本製品の信頼性への評価は高い一方で、そのデザインや機能については魅力的でないものが少なくありません。街の景観はその最...
2013.03.05 11:42日本の民主主義はどこへ行く?この頃、進み始めたと思った時計の針が、いつのまにか後退しているような出来事が続きます。自然エネルギーの方向に進むと見られた米国でも、シェールガスブームで、省エネなどどこ吹く風。日本でも政治、経済のあらゆるところで、過去の亡霊が現れて暴れているかのような状況が、展開されています。今日は、こんなことがあってよいのだろうかと、目を疑うような記事。「中環審「脱原発派」の就任取り消し」朝日新聞環境大臣の諮問機関である中央環境審議会の委員から、原発に慎重な人達が除かれるとのこと。権力を持つ者が反対意見を持つ者を排除し、強引に意図する方向に政策を決めてしまうという、あるべき社会には許されないこと。遥か昔、約70年も前に、東条英機が行ったことと同じです。野田前首相あた...
2013.01.04 12:48天外伺朗さんのレポート八ヶ岳のお正月は、12月の寒波と年末の雪が嘘のように、晴天でおだやかな、お正月らしい三が日でした。トンネル事故のために、東京方面から来られる方が少なかったこともあって、いつもなら年末年始はそれなりに賑わうリゾート地も、なんとなく静かな感じでした。さて、日本で名前が通っている方々の中で、私と一番考え方の近い方というと、それは、天外伺朗さんではないかと思います。人間の本性のレベルから物事を考え、そこからビジネス、経済、社会などの世界を読み解き、ホリスティックな視点をもって自ら分析し考えたことを、公に発信し続けている方は、天外さんは唯一無二の方だと思います。天外さんが、元旦に出されたレポートですが、人間の心理学的、精神的な発達段階の観点から、今の日本の情勢を...
2012.12.28 10:57ニッポンの日の出 ~ アベノバブルの後に・・・私が先人たちから学んだ、あるべき社会の世界観は、それは北斗星や南十字星のような、目的地に向かうための指針です。しかし私が、それらに物足りなさを感じるのは、向う目的地に対して、私たちが今おかれている現状を充分に理解し、その上でどのようなルートを開拓してゆけばよいのかといった、現実的な観点が抜けていることです。このところ、このブログに似つかわしくない政治や経済の話が続いていますが、それは、いまの私達がどのような状況におかれているのかを、しっかりと把握しなければならないと思うからです。自民党は、選挙前はTPPも原発も慎重に議論すると言って、わざと議論をあいまいにしていましたが、選挙が終わったとたん、原発担当に原発推進派の石原氏、そして、農水大臣にTPP推進派...
2012.12.17 13:42共通の目的地に向けて今回の総選挙では、選挙システムのせいであまりに極端に結果が出てしまい、脱原発、卒原発の勢いは、自民党の圧勝の前に消えてしまいました。自民党が第一党になることは予想されていましたが、やはり多様な国民の意見が政治の舞台に反映される程度に、少数政党の議席も伸びて欲しかったと思います。ですが、自民党にしかできないことも多くあります。小泉進次郎さんが選挙中に語っていたそうですが、過去の自民党が残した悪しきことを、きちんときれいにするのも、彼らの責任でしょう。自公が圧勝して衆議院の3分の2を獲得したのも、その大掃除ができる良いチャンスです。仮に今、脱原発、卒原発を唱える党が多数派となったとしても、まだまだ多くの人々が、その考えを十分に受け入れる状態にはありません。...
2012.12.13 11:36進化する世界、後退する日本 ~ システム思考で見える日本経済の処方箋アメリカや欧米の先進諸国の政策や制度改革を見ていると、その端々から、着実に、新しい社会にシフトしていっていることを感じることができます。ところが日本だけが、どこかあさっての方向を向いて進んでいくようで、ましてや、今度の選挙で自民党が勝とうものなら、逆戻りをするような感じさえします。特に経済をどうするかについては、私たちの生活がかかっているだけに、本当に真剣勝負で取り組まなければなりません。今日は、そのところを少し書いてみたいと思います。少し長くなりますが、とても大事なことなので、是非、お付き合いください。複雑な連鎖が連なる経済の世界を分かりやすく解きほぐすには、システム思考の手法は必須と思います。何が何にどのように影響しているかを書き出して行き、対象の...
2012.10.04 23:55経済成長と自由貿易 ~ 私たちの暮らしはどうなるかフィナンシャル・タイムズ紙が、“経済成長は永遠に続くか”という記事を掲載していました。それを読みながら、今後の社会の在り方について、いろいろと考えてしまいました。先進国においては、19世紀から20世紀にかけた200年間の間に、主に化石燃料の利用による技術革新のおかげで、それまでは人や動物の力などに頼っていた動力が、飛躍的に大きくなったことから、水道、エネルギー、交通をはじめとしたインフラが整備され、ほぼ大多数の人が生きていくのに十分な物資や食料を生産し、人々が手に入れることができるようになりました。急激な人口増加も含め、人類の長い歴史の流れからすると、まさにビックバンに相当する変化でした。しかし、20世紀の後半にかけて、その技術革新の恩恵がほぼ全てに行...
2012.07.07 14:39祝島の記憶から、山口県の将来を想う私がまだ4つか5つのころ。瀬戸内海のとある小さな島。東京から来た叔母といとことともに、私たちは、近くの半島から船に乗り、その島に渡っていきました。辺りは薄暗くなった、とても静かな夕方でした。古い質素な小さな旅館の、少しゆがんだ手作りの格子ガラスの窓から外を見ると、目の前を横切る細い道のすぐ向こうに、小さな波止場があり、そこには数隻の木造の漁船と、その先には、群青色をした、滑らかな水面の瀬戸内海が続いていました。翌朝、港に出て行き辺りを見回せば、あちらこちら黒や赤のカニが泡を吹きながら走り回り、名前はわからないけれども、様々な海の生き物や海草が、人の暮らしのすぐそばで、息づいているのを見ることができました。この風景は、私の幼いころの大切な思い出であり、心...
2012.05.23 13:28ユーロ解体の後にくるもの世界が大きく変わるきっかけになりそうな出来事が起こる可能性が、徐々に高まっている気がします。昨年の秋に書いた記事で、ユーロは解散され、新しい通貨体制になる可能性について書きましたが、その可能性が少なからず出てきた感じです。フィナンシャルタイムズ「ユーロ解体の計画を立てる時が来た」いま、ギリシャ離脱を何とか食い止めようと各国が努力していますが、ユーロ通貨がもともと持っていた欠陥が明らかになった今、仮にギリシャ離脱が当面なくなったにせよ、ユーロの解体は時間の問題かもしれません。各国政府の立場に立つならば、単にユーロを解体して昔のような国家通貨にもどすという、多大な犠牲を払うだけの退却という選択はまずありえません。解体を退却ではなく、新たな進歩として認められ...
2010.07.13 12:48フロー型組織のチーム力南アフリカのワールドカップで戦った岡田ジャパンは、選手一人ひとりの技量は、世界レベルからするとまだ劣るけれども、それを補うに十分なチームワークで、私たちに快進撃を見せてくれました。兼ねてからこのブログをお読みくださっていた方なら、岡田ジャパンがなぜ、あれほどのチームワークを、発揮できたかの理由がおわかりでしょう。私も、今回のワールドカップの結果から、これで、自信を持ってご紹介できます。まず、1年半前の2009年の1月の記事を是非どうぞ。http://blog.goo.ne.jp/itoh19/e/2670e80ad8cc9ddd891c0f72ae28d582岡田監督は、その後も天外さんの考え方を熱心に勉強されていたそうです。考え方を知ることは簡単です...
2010.07.05 14:13再建という仕事 ~ わずかな希望を現実へと変えていく先週、ある組織の再建計画づくりがピークを迎えました。朝から晩まで、机の前からほとんど動かず、あれやこれやと悩みながら仕事をしているうちに、ついに金曜日、朝から背中の一点が痛かったのですが、仕事をしているうちに痛みがひどくなり、午後になると、深呼吸をするのも難しくなってしまいました。机に座っていると息苦しくなるので、ときどき廊下を歩いたり、外に出たりするのですが、症状は良くなりません。夜になると痛みはもっとひどくなり、これでは、八ヶ岳に車を運転しては帰れないと観念し、仕事先で余計に一泊することになりました。外用薬を貼ろうにも、自分一人だと一苦労。寝ようと思っても、痛くて横になっているのも辛い状況。寝返りもうてません。夜中はほとんど眠れませんでしたが、夜明...
2010.03.19 03:52自由競争は進化の原動力となりうるのか?仕事で使っているVAIO機で、先週にwindows updateが自動的に行われ、幾つかのソフトがダウンロードされて以降、パソコンの起動が極端に遅くなってしまいました。基本的には必要最小限のサービスしか初期起動しないように自分で設定していますが、ハードディスクへのアクセスが、なぜか頻繁に行われており、タスクマネージャーでは追求できないところでの、何かミスマッチが起っているようです。マイクロソフトのサポート情報を参考にしながら、それらしき対策を試してみましたが、解決しません。Windowsのこういった不具合は、今日に始まったことではなく、この20年近くにわたって常に起こり続けてきたことです。しかし、起こり続けると言う点で、この商品と企業には、根本的に問題...