ああ、本当に良かったと思った今回のアメリカ大統領選挙。
大げさな表現かもしれませんが、
これで地球が確実に変わっていきます。
それほど、今回、オバマ大統領が再選されたことは、
意味が大きいと思います。
4年前、リーマンショックという、
世界中を暗くしたリセッションからスタートしたオバマ大統領でしたが、
私は、この4年間ずっと、
ホワイトハウスのブログから、
オバマ大統領の行動を追ってきました。
アメリカでは、オバマ大統領の政策に不満を持っている人が少なくないようですが、
私からすると、彼の政策や行動は、
どれをとっても、驚くほど的を得ていると思っています。
広く知られていることとして、
自動車メーカーの救済や大型の財政支出、
躊躇ないこれらの政策のおかげで、
アメリカ経済は息を吹き返し、
その後の着実な回復路線を歩んでいます。
当初、共和党はその大型支出に反対しましたが、
経済が極めて萎縮した時の大型財政支出は正解です。
これがあったからこそ、アメリカ経済は息を吹き返し、
EUが落ち込んでも、世界経済がそれなりに成り立っています。
大手金融機関を敵に回しながらも、
暴走する金融資本主義に歯止めをかけ、
度重なる金融ショックを二度と引き起こさせないように、
金融機関の行動に縛りをかける政策を打ちました。
健康保険制度改革は、
議会での共和党の反対のために、
手間取り、不完全な形になってしまいましたが、
それでも、多くの中間、低所得者層にとって、
不可欠の制度の導入となりました。
ニュースにはあまり取り上げられませんでしたが、
オバマ大統領はバイデン副大統領とともに、
時間があればアメリカ全土を駆け巡り、
地域にある中小企業、スモールビジネスの再興と
コミュニティーの結束とを呼びかけ続けてきました。
海外にある工場を国内に呼び戻し、
ものづくりへの回帰と、海外からの輸入にあまり依存しない、
地産地消型、地域循環的な経済体制へと、
目指す方向を転換してきています。
今、アメリカの経済は、
これまでの他国に進出して儲けるという、
帝国主義の体制から脱皮して、
新たな形にシフトしようとしています。
エネルギー改革にも力を入れました。
スマートグリッドの導入や自然エネルギーの開発に予算を割き、
石油エネルギーからの脱却を目指す一方で、
今話題のシェールガスについては、
地殻破壊と環境汚染との懸念から、
その急速な開発には慎重な態度をとっています。
また、オバマ大統領が就任直後に真っ先に取り組んだもののひとつとして、
マスメディアに真実を歪曲して伝えられるのを避けるために、
政治、政策決定の透明性を確保し、
常に、大事な事実をホワイトハウスから直接発信するようにしたことがあります。
これは、二つの大きなメリットがありました。
ひとつは、メディアの偏向報道を抑制できること、
もうひとつは、政府自身がその透明性によって、
欺瞞や権力の乱用をしにくくする自制効果があることです。
オバマ大統領とともにミッシェル夫人の貢献も忘れてはいけません。
普段はあまり光が当たらないけれども、
社会のために貢献している人々を積極的にホワイトハウスに招いて、
彼らへの感謝の気持ちを伝えることも忘れません。
家族で、ホワイトハウスの庭を掘り返し、
キッチンガーデンを作り、そこに子供たちを招き、
言葉だけではなく、暮らしを通じた行動で、
これからのアメリカの進むべき方向を指し示しました。
頻繁にダウンタウンに赴き、
職のない人たちのための食事提供のボランティア等にも、
何度も参加しています。
オバマ大統領の理念の根底には、
アメリカ国家は、平和をモットーに、
常に、生まれや、人種、性別などによる、
一切の差別のない社会を目指し、
誰一人を置き去りにすることなく、
皆で支えあい、皆で良くしていく、
ひとつのコミュニティーであることという理念が根底にあります。
その理念が通奏低音のように、
彼の行動や政策の全てに響いています。
私からすると、
オバマ氏の政策は、どれをとっても間違いはなく、
しかも、これから私たちが目指すべき社会作りの方向と、
ことごとく一致します。
驚くべき才能とリーダシップです。
まだ政治家になって十年に満たなかった彼が、
どうやって、経済のことから、外交まで、
先を見通した政策の判断ができるたのでしょうか。
そして、その高い人間性と卓越したリーダーシップを、
一体、どこで、どのように磨いたのでしょか。
一種の天賦の才もあることに違いありません。
地球全体が変化しなければならない、
いまこのとき、この場所に、
そして、その最も重要である国アメリカに、
必然的に現れた人であると言っても過言ではないでしょう。
さて、今回の選挙において、
選挙人の数からするとオバマ大統は結果的に圧勝でしたが、
得票数で見ると、
オバマ大統領の政策に同意できる人と、
そうではない人が拮抗しているのがわかります。
本当に紙一重のぎりぎりの差でのオバマ大統領の当選でした。
これがアメリカの現実であり、世界の縮図です。
ですが、この先4年間にわたって、
これまでオバマ大統領が行ってきた政策の成果が、
目に見えて明らかになってくるとともに、
多くの人が、彼の理念と政策に同意してくるのではと思います。
そして、共和党が今回推し進めたような、
利権重視、新自由主義的な考えが
急速に後退していくことを、私たちは見ることになろうと思います。
これからアメリカは、
まだいくつもの難局に直面して、
一見、足踏みをしているように見えるかもしれませんが、
その水面下においては、
自立した国家への足場固めは着々とすすみ、
いずれ、経済的にも、環境的にも、
真に持続可能な社会へと近づき、
そのとき、世界の他の国々にとってモデルとなる可能性が高いと思います。
私はかつて、ブッシュJrが大統領だったときには、
アメリカは世界の足を引っ張る国と思っていましたが、
今、その思いは全く逆になりつつあります。
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