2013.10.26 10:49The Reason I Jump ~ 多様性を受け入れる教育へ、社会へRandom House今、欧米で大ベストセラーとなっている本。ニューヨークタイムズなど各紙やテレビで絶賛されています。原書は「自閉症の僕が跳びはねる理由」自閉症の東田直樹さんが中学生の時に書いたものです。重度の自閉症の為、話すこともできない彼ですが、文字盤を使って、彼が口では語れない内面の世界を表現してくれています。エスコアール時間や空間の捉え方が一般の平均的な人と違い、また、心身の制御も難しいことから、思考や行動にもそれらが大きく影響していますが、心の奥底には、誰もが持つ幸せへの希求があり、彼ら自身、自らのことを悩みながらも、懸命に努力していることが伝わってきます。自閉症は米国では約100人に一人、韓国では40人に一人くらいらしいのですが、自閉症ス...
2013.09.21 23:33人が優しくなれる社会へ昨晩から久しぶりに八ヶ岳に帰っています。息子たちが2年ぶりに小学校の運動会に顔をだしました。以前とかわらず、多くの人が暖かく迎えてくれます。本当に幸せな体験です。もちろん、八ヶ岳のこの地域でも、いろいろな人間関係や摩擦はありますが、それよりも、どこか根本的なところに、他人に対するやさしさがあることを感じます。直接相手のことを知らなくても、必ずその人のことを知っている知り合いが存在するといった、比較的小さなコミュニティーであることが、どこか、お互いを認め合える基本になっているのかもしれません。今夜、息子が寝入る直前に、街の人々にくらべて、八ヶ岳の人々は優しい人が多いね、と、つぶやいて眠りにつきました。たぶん、それは事実なのでしょう。私は、街暮らしの人が優...
2013.08.17 07:04トップダウンからボトムアップへそういえば2011年3月11日 金曜日。仕事先の愛知県で打ち合わせをしていた午後。俄かに、ささやかな振動があった後、建物がまるで宙に浮いたかのように、ゆっくりと横に揺れ続けました。大した揺れではありませんでしたが、これまでに経験したことのないその異様な揺れ方は、どこかで大地震が起きたこと如実に教えてくれました。その夜、仕事を終えて東名高速にのると、何台もの大型の化学消防車が東に向かって走っていました。いつもより交通量が極端に少なかった中央道を走り八ヶ岳に着くと、そこは信号機もついていない真っ暗な闇。遠く甲府盆地の方に街の明かりが見えるだけでした。3月の八ヶ岳はまだ真冬の様相です。暖炉以外のほとんどの暖房器具は電気を必要とすることから、多くの家庭は暖房な...
2013.04.09 14:31始まっている未来 ~ 新しい経済学は可能か 宇沢弘文・内橋克人岩波書店世界的に高く評価されている経済学者の一人である宇沢弘文さんが、「始まっている未来」という内橋克人さんとの対談本の中で、新自由主義は「経済学とはいえない一種の信念」と評しておられます。フリードリッヒ・ハイエク、ミルトン・フリードマン、ラリー・サマーズ、日本で言えば浜田 宏一氏や竹中平蔵氏らが、新自由主義の代表的な経済学者と言われています。ミルトン・フリードマンと同じ時期にシカゴ大学におられた宇沢先生は、フリードマンの発言に憤慨することが多かったとのことです。「資本主義の世界では儲けを得る機会に儲けるのが紳士の定義だ。儲ける機会があるのに儲けようとしないのは紳士とはいえない。」「麻薬をやる人は、麻薬をやったときの快楽と、麻薬中毒になったときの苦しみ...
2012.10.19 08:39知恵のある人ある人が首長や社長になったとたんに、大幅な給与削減やリストラを行い、それが財政の立て直しに功を奏したと、評価される声をよく聞きます。しかし、経営を専門にする私からすると、人件費をカットすることは一番安直な方法で、ある意味、その気さえあれば誰であってもできるやり方です。すぐに給与削減やリストラを口にできるのは、その人の心の冷たさと能力の不足を露呈しているにすぎません。世の中には、自分のために人を犠牲にする傾向の強い人と、人を想い人のために働く傾向の強い人とがいるように思います。誰もが、それぞれに傾向の強さを持っています。その傾向が、明らかにわかる人もいますし、どちらの傾向が強いのか、わかりにくい人もいます。しかし、政治家や会社の経営となると、その行動や発...
2012.07.21 05:48マイケル・ポーター ~ 共通価値の創造大企業の企画部門や経営コンサルタント以外の方には、あまり興味の湧かないタイトルだと思いますが、マイケル・ポーターというと、企業や国家における、競争優位、差別化という考え方を提唱し、世界中の経営コンサルタントや、企業の企画部門の人たちにとってのカリスマの筆頭です。今は一般にはドラッカーが人気ですが、ドラッカー以上に世界中の企業に影響を与えた人であることは間違いありません。ダイヤモンド社その大御所が、過去30年の経済の在り方を変える、新たなビジネスの在り方を提案しています。企業間の競争をいかに勝ち抜くかを、研究の専門にしているポーターは、1980年に競争優位に関する著書を発表し、それが世界中の注目を浴びることとなりました。その後も、ハーバードビジネススクー...
2012.05.15 12:06Sacred Economics ~ Charles Eisenstein2年半前に、このブログのシリーズ「新しい社会の基本がわかる」シリーズの最終項として、これから記事を書いてアップしますと書いたまま、未だにアップできていないものがあります。決して忘れていたわけではなく、いつも心に引っかかっていたのですが、どうも書くのを躊躇してしまい、今日に至ってしまいました。それは、何かと言うと、人類の精神的な進化についてのことです。人類が古来から現代にかけて、その精神的な進化(変化)をしてきたことは、インターパーソナル心理学や、シュタイナーなどで言及されてきた事です。その変化は今現在も続いており、私たちも、常に変化する社会や人間関係の中で、知らないうちに精神的な変化を遂げています。昔は、はっきりした自己がなかった反面、お互いがゆるやか...
2011.09.21 16:06スターウォーズとショック・ドクトリン全く関係ない二つですが、私があることに考え悩んでいるうちに、この二つが繋がってしまいました。このブログをいつもお読みくださっている方なら、それがどのように繋がったのか、きっと、すぐに推測がつくのではと思いますが、補足も兼ねて、一応説明しておきたいと思います。少し長くなりますので、お急ぎの方は、どうぞ、お時間のある時にお読みください。私が考え悩んでいたこととは東北の将来のことです。3.11の大震災のあと、お店も問屋も被災して、地元の方の買い物ができるところがない中で、いち早く移動店舗などを投入して店を開き、とても重宝されたのはコンビニでした。そして今、コンビニ各社は現地への出店攻勢にしのぎを削っています。また、さらにその背後で出店を狙っているのは、イオン...
2011.09.12 13:05新たなる社会づくりに向けて「幸せになるために毎日懸命に働いているのに、なぜかいつまでも幸せになれない今の社会。モノの豊かさや便利さを純粋に喜べたのは昔の話で、幸せを手に入れようと、経済発展を推し進めようとすればするほど、幸せはますます私たちの手から遠のいて行ってしまいます。一体、私たちの社会や経済の何がいけないのでしょうか。何か大事なことを見落としてきてしまったのでしょうか。そして、私たちはこれから、一体どのような社会を理想として取り組んでいけばよいのでしょうか。・・・(後略)・・・」マクロビオティクの西日本の総本山、正食協会の月刊誌「むすび」の10月号に、編集部の片山氏と山口編集長のご厚意により、映画「幸せの経済学」の紹介を載せていただきました。上はその前文です。今週くらいか...
2011.04.19 14:36ありふれた日常の現実の中に理想を見る…私がイギリスに留学している頃と前後して、イギリスのシュタイナー共同体のキャンプヒルで何年か暮らされたというSさんからメールをいただきました。短いメールだったのですが、読ませていただくうちに、私のこの十何年かの時間がフラッシュバックのように流れていきました。私が書いた返答メールを転載しておきます。******************************************************S様ブログをお読みいただき、またメールをお送りいただき、ありがとうございました。私もイギリスで共同体に近い生活をしていたので、日本に帰ってからのギャップに苦しみ、この日本で自分は何をしたらよいのだろうかが分からず、仕事にも復帰できなかった時期がありました。...
2011.04.06 13:35生かされている私たちの役目とは弟が教えてくれた、東京から被災地にヘリコプターで急行し、救援活動を行った看護師さんの手記。涙なしには読めません。お疲れ様でした。ブログをアップしてくださって、ありがとうございました。http://blog.goo.ne.jp/flower-wing/e/94df7eade75508d8941e7b3c89203f57メディアでは伝わらない、被災地で過ごす方々や、本当に懸命に支援活動をされる人々の、想いと気持ちが伝わってきます。母親を失った幼い女の子がいました。その女の子は通っていた幼稚園から避難して助かりましたが、母親は津波に飲み込まれてしまいました。その母親が瓦礫の下から見つかった時、母親は、その女の子が大事にしていた人形と絵本の入ったリュックサック...
2010.05.06 14:01組織のヒエラルキー私が中学生になって暫くの間、両親は私が落ち込んで学校から帰ってくる毎日に、とても心配したそうです。何故だったかというと、小学校までの人間関係は、どちらかというと横型社会であったところが、中学校になって突然、上級生に対しては「さん」づけを要求され、上級生は下級生を呼び捨てにし、下級生は上級生の言うことを、それが理にかなわないものであっても、必ず聞かなければならない、縦型社会となったからです。その縦型の人間関係は、私にとっては全く受け入れがたいもので、なぜそのようにしなければならないのか、理解ができなかったのです。(今でもですが・・・)人類は自由と平等であるといわれながら、今の組織の大半は、下位のものは上位のものに従わなければならない、堅固なヒエラルキーを...