12月以降の比較的安定した相場と言い、
弱気のマーケットでありながら、
上昇傾向の兆候を見せる株式相場。
そして、原油価格の上昇。
これらを見事なまでに予測された竜河さんが、
「株式相場の長期見通し」を書かれています。
詳しくは、本文を是非ご覧ください。
竜河さんは、いくつかトップバンクの資金運用の、
責任者をされていました。
高度の金融知識をお持ちであると同時に、
中国古典思想の深い理解者でもあります。
やはり流石だと思ったのは次の文章です。
「3) ドル円は非常にクリティカルなポイントに差し掛かり、現状レベルから上下どちらかに大きく振れれば、暫くの間、相場がその方向に行く公算は大きい。」
決定的な材料がない中で、
プレーヤーの唯一の判断材料は市場を漂う空気。
今はそれに任せるときだということのようです。
それは当たり前じゃないかと思われる方も、
いらっしゃるかもしれませんが、
私は、この表現こそ、
まさに市場の本質を知っての言葉だと思います。
プレーヤーは「限定合理性」でありながら、
その限られた情報を一生懸命フルに活用し、
かつ、市場の動きを見ながら、
投資の判断をしていると考えられます。
そのような、
直接的に、間接的に、
お互いと密な関係にあるプレーヤーの集まりの市場は、
一種の独特な動き、
Emergent Properties=創発的現象を、
起こすと考えることができます。
創発的現象とは、
「個」の集まりである集団の中で、
お互いの相互関係の密度や量が、ある閾値を越えると、
「個」の動きからは予想できない、
集団の新たな「秩序」を発現することを言います。
特にこれが、古い「秩序」から、
新しい「秩序」に変化する場合を、
相転移と言います。
こういった現象を起こすものを、
複雑系とも言います。
竜河さんの表現の中で、
「・・・暫くの間、相場がその方向に行く公算は大きい」
とあるのは、まさにその相転移が起こり、
古い秩序(価格帯)から、
新しい秩序(価格帯)へ遷移することを、
言われているのだと思われます。
かつて、株式市場は複雑系か?
といった議論があったかと思いますが、
まさに、市場の本質を知る優れた金融専門家は、
複雑系と言う言葉は使わなくても、
そういうものだと、
自ずと知っておられるのだろうと思います。
実は、先のEmergent Propertiesは、
自然界を形づくっている、
極めて重要な現象のひとつです。
きっと今後、広く使われてくると思いますので、
これは、知っておいて損はないと思います。
金融の本当のプロは、
自然界の本質をも窺い知る、
その強力な洞察力、直観力があるからこそ、
成功できたのかもしれません。
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