2013.02.12 14:09ホリスティックな世界観とは ~ サティシュの想いこの連休の八ヶ岳はちょっと冷えた日々でした。その寒い冷え冷えとした夜のこと、何だか肩のあたりが寒いなと感じる寝床の中で、ふと、この冷え切った八ヶ岳で突然に外に放り出され、もし自分が何の道具も持たないまま、たった一人で生きていかなくてはならなくなったとしたら、一体どのように生き延びたらよいのだろうかと気になってしまいました。暖をとるのには薪がいります。薪を切るには斧かのこぎりがいります。のこぎりを作るには鉄がいります。どこにその鉄を含んだ山があるのでしょうか?どうやってその山から鉄を掘り出したらよいのでしょうか?仮に鉄を含んだ岩があったとしても、どうやってそれを溶かすことのできる高温を作り出したらよいのでしょうか?私はそれなりの文明をもった時代に生まれて...
2013.02.02 02:12Seven Life Lessons of Chaosシューマッハカレッジの後輩のエッセイ(レポート)を読んでいたら、ある書籍を頻繁に引用しているので、ちょっと気になってリファレンスを見たら次のような本でした。HarperCollins e-booksbyJohn Briggs, F David Peat左のおすすめ本にもある、“Science, Order and Creativity“を、David Bormと一緒に書かれたDavid Peatの著作でした。日本語訳も出ていました。実に10年以上も前に出版されていて、これまで気付かなかったのが情けなくなります。ダイヤモンド社この本の内容としては、かなり前に、このブログでも複雑系と自己組織化について書いたことがありますが、概略においてそれとほぼ同じです。...
2013.01.25 03:36神は自分 ~ 谷口正和さんのブログよりマーケティングプランナーの谷口正和氏が、さらりと大事なことを書いておられるのでご紹介。谷口正和さんのブログ ~ 発想の画帳「神は自分」この宇宙、大自然が神であるなら、私も、あなたも神の一部。この世の中で神でないものはありません。一見穢れたように見えるものであっても、それでも神の一部と考えられます。全ては尊く、究極的には同じ一つの存在なのでしょうね。きっと。
2013.01.21 21:18本当の“エコロジカル”を実現するためにエコロジカルという言葉は、最も狭義の意味では“生態学的”となりますが、一般的には、地球に負荷をかけずに、地球に優しいものやことを表す言葉として、使われていることが多いかと思います。日本ではあまり見かけませんが、英語ではもっと深い意味を持たせた使い方をしている場合もあります。それは語源のとおり、宇宙万物の道理に即していること。大自然の摂理に調和していることを意味しています。そもそも人間も他の動物と同じように、直感を通じて、エコロジカルであるか、そうでないかの区別ができると言います。その直感は、心の感情を通じて、それが想いや思考となり、行動へと変化していきます。一人一人のエコロジカルな直感が、お互いの“真の対話”を通じて共鳴して増幅され、それが社会の意思決...
2012.10.31 14:14社会の中での自由とは・・・大統領選も最終段階に入っています。お互いに支えあい、共存共栄する社会を理想とするオバマ氏と、自由競争を促進し、勝者生存の論理で、勝者となって、弱者を踏み台にして生き抜こうという考え方のロムニー氏と、みごとに対照的な候補が競い合っています。しかも、支持率が半々と言うのも、今のアメリカの世相をよく現しているように思います。現代の社会において、ものすごく多くの人が、「自由」というものを拡大解釈して理解している感じがします。「自由」は、心や精神の自由であって、物質世界の完全な自由を意味するのではありません。ご存知の方も多いと思いますが、トマトを、生育に対する阻害要因を一切なくした特別な環境の中で育てていくと、トマトは、数え切れないくらいの実をつける巨大な木にま...
2012.09.18 13:05The Wholeness of Nature ~ Henri Bortoftこの連休は八ヶ岳で、久しぶりに、ゆっくりと一人の時間を過ごしていました。八ヶ岳にいると、私は音楽もテレビも要りません。静寂な自然の中で、その自然の営みを感じながら一人静かに過ごす時間が、何よりも、私にとっては貴重であり、幸せなひと時です。今回は、そういう時間の合間に、懐かしい一冊の本を読み返していました。それは、恩師の一人Henri Bortoft博士の、「The Wholeness of Nature ~ Goethe’s Way of Science」Floris BooksHenri Bortoft博士は、日本ではあまり知られていませんが、科学哲学の分野では世界的に注目されている方で、デカルト以降の機械論的な世界観・哲学と対峙する、全体論的な世...
2012.08.18 06:43Ecological Design & Regenerationこのところ毎年のように、大学院コースを増設しているシューマッハカレッジが、来年度から新たにエコロジカル・デザインのコースを、スタートさせるようです。過去にシューマッハカレッジでは、1998年に始まったHolistic Scienceコースを基礎に、従来から希望者の多かった経済分野の、 Economics for Transition コースと、農業と食品生産に関する、Sustainable Horticulture and Food Production コースができました。そして、来年度から始まるのは、都市、街、農村の地域デザインや、教育から文化、食、エネルギーといった、社会全般の在り方を考えたデザインを学ぶ、Ecological Design &a...
2012.05.07 23:28NHK BS1 TOMORROW beyond 3.11直前ではありますが、先ほど知った番組のお知らせです。もしかしたら、ご参考になるかもしれませんので、お伝えしておきます。新しい社会づくりの根本的な考え方の分野において世界的な指導者として知られるイギリス在住の環境思想家サティシュクマールの特集です。2月に来日して、京都、東京を中心に講演をしていった時のドキュメンタリーです。今回の来日は、スローライフの辻新一さんらが中心になって実現してくださいました。ありがとうございました。***********************************NHK BS1 「TOMORROW beyond 3.11」 2012年5月8日(火) 14時00分~14時30分 【番組内容】サティシュ・クマール氏(75歳)は...
2011.10.19 11:35Grow Small, Think BeautifulGrow Small, Think Beautifulは、世界がこれから、25年程度をかけて行きつく、着地点を表現している言葉でしょう。これは、シューマッハカレッジに関わる面々が、世界が直面している危機に対して、それをどのように解決し、いかなる新たな社会を作っていくかの議論を収録した、シューマッハカレッジが、この20年間の集大成として、このほど初めて出版した本のタイトルです。Floris Booksシューマッハカレッジと、それに関わる人たちの特徴は、ホリスティックな視点で自然生態系をとらえなおし、エコロジカルな視点から、自然界と人間界とが一貫性をもった未来社会を、考えていることにあります。少し、そのあたりを簡単に説明しておきます。そもそも地球生命系は、...
2010.09.28 13:11幸せに生きるとは・・・安曇野のシャロムヒュッテの臼井さんから先日頂いた、7月29日の記事に対してのコメントですが、とても含蓄のある、奥深い、美しい内容なので、皆様にもシェアしたく、ここにご紹介させていただきます。臼井さん、ありがとうございました。>>>>転載ここから>>>>訪れるたびにこの文章を何度も読ませて戴きました。分化して細分化してまた全体と繋がる神の世界は一つ 平和で美しい世界です。相対界で生きる人間は対立するものの中で生きています。だから学ぶことができるのでしょう。そしてその過程がとても大事です。女性はきっと神なのでしょう 女性といわず人間も神なのでしょう。そこに分別という名を持つことで人間になるのだと思います。分別がなければ一つです。でも一つでは出逢うことも愛し...
2010.06.29 13:53寛容の世界Tolerance = 寛容私が好きな言葉の一つです。同時に、今の社会に最も欠けているものの一つでもあります。先日、NHKのニュースを見ていたら、4月に亡くなられた免疫学者の多田富雄先生が、すでに動くことも話すこともできない状態の中で、特殊なキーボードを使って、この世の人たちに伝えたかった、最後のメッセージが放映されていました。多田先生が伝えてくださった、最後の短いメッセージは次のようなものでした。「長い闇の向こうに、 何か希望が見えます。 寛容の世界が広がっている、予言です。」多田先生が研究しておられた免疫学の中に、非自己であったものに対し、自己がそれを許容していくという、免疫寛容現象というものがあるそうです。生命現象を追及していくと、厳格な自己、非...
2010.03.29 14:44Ecoliteracy エコリテラシー3月22日から始まり4月1日に終わる、シューマッハカレッジのエコリテラシーのコース。あと数日で終わると言うのに、今日、不思議にも、なぜかシューマッハカレッジから案内が送られてきました。改めて、その詳細を読んでみると、やはり、実に価値のあるコースです。フリチョフ・カプラ、サティシュ・クマール、ステファン・ハーディングといった、世界的な講師を含め、2週間のうちに13名もの講師が、エコロジーの真髄について教えてくれます。エコリテラシーは、自然界の姿について知ることが、何よりも基本となります。それ無しでは決して成り立ちません。Week 1 は、1)システムシンキング2)ガイア理論3)ディープエコロジー4)複雑系科学5)ゲーテ科学論6)グローバル社会経済とニュー...