今から30年近く前の、今は絶版となっている本のタイトル。
私が学生時代に読んだ、トランスパーソナル心理学のケン・ウィルバーの初期の作品です。
小さな山小屋では全ての書物を収容できずに親の家の書棚に預けてあったのを、久しぶりに見つけて20年ぶりに開いてみました。
私がどうしてこの本に興味を持ったかは定かではありませんが、多分、今はなき筑紫哲也さんが朝日ジャーナルの編集長をされていたときに、そこに紹介されていたのだと思います。
当時の私は、この本を読んでも、その内容は十分には理解できていなかったと思います。しかし、重要だと思って書き込んでいた線は、意外と的を射たところに引いてありました。今に至る私の人生の過程のなかで、潜在的に大きな影響を与えていたのは間違いありません。
その本から一節。
「遠い未来・・・、人間が本当に兄弟であることを悟るであろう。
皮膚の色や性別といった差異を乗り越えるであろう。
精神はいっそう澄み、合理性と直感の両方が正当なものとなろう。
・・・
経済を動かす新たなモチベーションが見出され、・・・、テクノロジーも人間の進化をうながすものとなる。
つまり、叡智に満ちた文化があらわれる。その文化は、
1)身体の抑圧を取り去り、食事や性行為におぼれることはない。
2)共同体精神の中で意思疎通が自由となる。
3)自我を正しく用いてお互いを尊びあう。
4)全ての人間はキリストや仏陀の神秘体の一部であるという自覚を持つ。
このような時代の先がけは見え始めている。」
30年前に書かれた内容とは思えない、今の状況を如実に表わしている文章だと思います。
エデンの園から出た人類は、自我を確立しながら暗黒の時代を歩んできましたが、スパイラルに流れる宇宙の展開のなかで、まもなく一段階進化した新たなエデンの時代に入っていくのでしょうか。
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