最後までブレなかった ジョージ・W・ブッシュ



ブッシュ前大統領が、大統領を辞める直前12月に、
まるで時間切れ前に駆け込むかのように、ある法律の修正を行いました。
それは、絶滅危惧種保護法の修正でした。

その内容を見て驚きました。

その修正とは、なんと、絶滅危惧種の保護を目的にしたのではなく、
反対に、開発のために、絶滅危惧種の事前調査はしなくてよくするものでした。
自然環境に対しての人々の関心が高まっているいま、
それに完璧に逆行する修正です。

ブッシュ前大統領のした事に関して、今日、もう一つ驚いたことがありました。

それは、堤美果さんの「ルポ貧困大国アメリカ」の101ページ。
ブッシュ前大統領が行った教育改革です。
全国一斉学力テストを実施して、成績を上げた教師と学校にはボーナスを支給し、そうでなければ降格や助成金のカットをするものでした。しかし、そこには強力なおまけがついていました。それというのは、高校は、全ての生徒の個人情報をアメリカ軍に提出しなければならず、それを行わない学校に対して助成金が支払われない制度がくっついていたのです。ブッシュ大統領は、これによって若い兵士をリクルートし、戦場に次々に送り込んだのでした。助成金をもらわないとやっていけない貧困地域の学校は、この規則に従わざるを得なかったそうです。そういった学校に通っていた生徒たちが、イラクやアフガニスタンに行かされていたのです。

ジョージ・W・ブッシュという人は、911事件とイラク侵攻に始まり、最後の最後まで、市民を不幸にするために、数々のことをしていってくれました。そこには、全くブレはありません。彼は、彼の信じる理想に向かって、完璧に前進していったと言えるでしょう。

ブッシュ氏とは違う考え方を持つアメリカ人にとって、この8年間は本当に悪夢を見ているような時代だったことでしょう。オバマ氏が大統領になった時に、テレビに映るアメリカの人々の多くが涙を浮かべていましたが、その涙の半分は、暗黒のブッシュの時代がようやく終わったことに対しての、安堵の涙だったに違いありません。

一昨日のホワイトハウスの発表によると、オバマ大統領は、そのブッシュ前大統領が行った絶滅危惧種保護法の修正の差し止めを指示したそうです。市民が虐げられ、ボロボロになったアメリカを、オバマ大統領は根気よく繕っていかなくてはなりません。

米国は一応オバマ政権に変わりましたが、日本はまだ安心できません。ブッシュ前大統領と考えを同じにする人たちが、様々な分野で活動しています。ささやかな市民の幸せより、競争に勝ち、権力とお金を得ることのほうが大事と考える人たちです。次回の総選挙が、その風向きを変えるものとなればよいのですが。

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