逆転のスパイラル (1)


最近、日中の仕事がにわかに多くなり、
ブログの更新カレンダーが虫食い状態のようになってしまっています。

しかし、
このブログをお読みいただいている、
何か大事なことに気づき、それに従って、
未来を創って行くだろう有意の方々に、
なるべくお役にたてる記事を書きたいので、
その点はご容赦いただければと思います。

「新しい社会の基本がわかる」シリーズの途中ですが、
仕事の資料の整理をしていたら、
昨年の秋に、ある機関に頼まれて書いた原稿だったのですが、紙面の都合上、半分しか掲載されず日の目を見なかった文章が見つかりました。

今の社会経済状況の様相を、
システム思考的に考えていった文章です。

そこで、忘れないうちに、
その文章の大事な部分をピックアップして、
今日と明日とに二分してアップしたいと思います。

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現代経済の「負」のスパイラル

過去20年から30年の間に、私たちを取り巻く経済と社会の環境は著しく変わりました。

特に重要なのは規制緩和による自由化と技術革新の発展との二つと考えられます。それらがグローバル経済を急速に拡大させていき、街の小さな中小企業でさえ、世界の無数の競争相手と戦わなくてはならない、とてつもない大競争時代へと社会を巻き込んでいったのです。

競争が激化すると、いままで固定的だった顧客が離れ、顧客の流動化が起こりました。顧客の流動化が起こると、企業は低コスト化のために合理化と人件費の抑制を推し進めます。そのために労働者の低賃金化、雇用の不安定化が進んでいきました。すると消費者の低価格志向が強まり、ますます企業間の競争の激化が進行してきています。

ここにはまさにスパイラル化した連鎖が起こっており、今も加速しながらそれは進行しています。このスパイラルは私たちの家庭生活や社会の不安定化を引き起こしており、進めば進むほど私たちの幸福度は薄れていくといった、まさに「負」のスパイラルが進んでいるといえるでしょう。

グローバル経済は私たちを幸福にするのか?

10月の世界的株価暴落の際に、金融投資の分野で著名なある外資系証券会社のトップが、今後、もっとグローバル化をすすめ、世界的な分業体制の確立を目指していくべきと語っていました。

その考え方は、言い換えると、大競争に勝ち残れなかった企業は淘汰され、淘汰に淘汰が繰り広げられたうえで、最終的に残った会社が、勝者として生き残ることを認められるということです。

この過程では、多くの生活者のどん底を味わうような苦難と犠牲があるはずです。また、生き残った会社が良い商品を作っている保証は全くありません。むしろ、経済合理性だけで作られた味気の無い商品である可能性の方が高いでしょう。

果たしてこれが、私たちが求める未来なのでしょうか? また、私たちの子供たちや孫に残していくべき社会なのでしょうか? そして、どうしたらこの混迷から逃れることができ、私たち一人ひとりが、ささやかながらも本当に幸福を感じながら暮らすことのできる社会を作っていけるのでしょうか?

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つづきはまた明日。
明日の文章の方がメインです。
この「負のスパイラル」をいかに解消していくか、
その「逆転のスパイラル」の話となります。
(このブログをお読みいただいている方には、すでに当たり前の話かもしれませんが)

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