2013.06.29 03:02地域の活性化に挑む4月に入ってから新しい仕事が加わり、暫くの間、落ち着かない日々を過ごしていたことから、ブログの更新も間が空いてしまいました。今、私が働きに来ている街の市長が、地域の活性化を促進するために、民間の知恵やノウハウが活かせる観光、文化、経済の分野を中心に、全国でも珍しい試みとして、公と民とが協働して政策立案や事業を行う新しい組織を作ると宣言しました。それを受けて、地元の商工会議所やNPO,企業等が連携して、大手旅行代理店、金融機関、イベントプロデューサー、経営コンサルタント、事業プランナーらが参加する一つの組織が編成され、私もその一員として加わる事となりました。そして早速に、市の観光イベントや中心市街地活性化、公園などの公共空間のデザインや整備方針の策定、全...
2013.03.21 13:56スペースシップアース ~ なぜ人類の危機は解決しないのか?昨晩のこと、NHK-BS1で放映されていた、ドキュメンタリー「スペースシップアース」を、小学生の息子と一緒に見ていました。番組は、人類の急速な増加と産業発展から、すでに回復が難しいくらいに大きく破壊されてしまった、宇宙船地球号「スペースシップアース」の舵を、今後、どのように切っていけばよいかについて、世界の賢人たちにインタビューした番組でした。番組の冒頭からサティシュとヘレナが取り上げられ、また、シューマッハカレッジの図書館などが画面に出てくるのを見て、思わず懐かしいなとつぶやいていると、隣に座っていた子供から、「そんなこと言っている場合じゃないでしょう。 これだけ危機なのに、 どの大人も、なぜすぐに行動しないの?」と怒られる始末。ついこの間までオムツ...
2011.10.26 14:17リージョナル通貨 ~ 新たな地域通貨の時代へ1990年代後半のこと、日本でも先見性のある方たちが、欧米を中心に広まっていた地域通貨に関心をよせ、自分達の地域で果敢に地域通貨を立ち上げられました。最も早かった地域通貨が、安曇野のシャロムヒュッテの臼井さんがされたハートマネー、それに、八ヶ岳西麓の原村で風の森さんらが立ち上げられた地域通貨などでした。少し遅れて八ヶ岳南麓の大福帳などがつづき、その後、2000年代に入って、地域にお金がとどまり、お金が外部に流出させずに、地域内で循環させるようにすれば、地域経済の再活性化の追い風になるだろうと、ほとんどどの街にも、何らかの形で地域通貨ができました。地域通貨の登場は、お金と地域経済に対する私たちの概念を大きく変えてくれました。その点だけでも、大きな功績があ...
2011.10.06 12:12Occupy Wall Street ~ その意味、その背景ウォールストリート、つまり世界を牛耳る金融界を相手に、Occupy Wall Streetの運動は1万人規模となり、ロサンゼルス、その他の都市へと伝播しつつあります。一般のメディアは、あたかも、失業や賃金格差に不満のある人々が、巨万の報酬を手にする金融界に対して抵抗運動を起こしている、かのように報道していますが、実はそんな単純な動機の運動ではありません。さすがに、真摯な姿勢での報道に定評のある、Cristian Science Monitorだけは、今回の運動の要因は複雑であり、どのメディアも明確に伝えきれていないと、正直に記しています。Occupy Wall Street運動のベースにあると言われているのが、かつてシューマッハカレッジの講師も務め、映...
2011.04.26 03:00「幸せの経済学」上映会&ダイアローグカフェ in 八ヶ岳地元、八ヶ岳でドキュメンタリー映画の上映会をすることにしました。現代の大量生産大量消費、株主資本主義、グローバル経済に別れを告げ、自然との調和を保ちながら、真の豊かさを実現するための社会にシフトしていくために知っておくべきことという、今、本当に大事なテーマが描かれています。映画を作ったのは、環境活動家、言語学者でもある、ヘレナ・ノーバーグ・ホッジさん。もう13年も前の話になりますが、シューマッハカレッジに留学していた時の先生で、私の研究のアドバイザーもしてくれた恩のある方でもあります。上映会では、映画の前後に、この映画の背景にあるエコロジカルな社会づくりの世界的な潮流や、その基盤となっている考え方。そして、これからの協調的な社会づくりの基本になる、「真...
2009.06.11 03:55Transition Town と Organizing America5年くらい前だったと思いますが、その昔、留学時代にお世話になった、イギリスのトトネス在住のHさんから、クリスマスカードがきました。そこには、その街で始まった新しい環境活動のことが、びっしりと書いてありました。その内容は、トランジションタウン・トトネスという、ピークオイルと気候変動とに対しての、解決にむけた運動を、地域の仲間で立ち上げ、精力的に活動しているということでした。それから年月が過ぎ、トランジションタウン・トトネスの活動は、イギリス国内だけで100箇所を超え、国境を越えてトランジションタウン活動として、広く知られるようになりました。ふと気づくと、日本でも、トランジションタウン活動の勉強会が開かれ、どうやら日本でも何箇所かで、活動を始めた地域が出て...
2009.06.04 04:00より透明性の高い金融制度へ16、7年前くらいだったかと思いますが、時々、このブログでご紹介させていただいている、金融の専門家「竜河」さんに誘われて、虎ノ門のビルの一室で行われた、ある国会議員の方による、勉強会に参加したことがあります。それは、世界金融の要である、ドルの正体についてのものでした。その老齢の国会議員が教えてくれた、ドル紙幣が意味するところは、結構オドロオドロしいものでありました。その後、インターネットの発達や、この点についての本も出てきたことから、今は、かなり多くの方が、その正体を知るようになってこられたと思います。ここ最近、経済危機も峠を越したとの見解をもつ、経済人、メディアが多くなりました。しかし、ドルにまつわる、極めてゆがんだ世界金融による弊害が、取り除かれて...
2009.06.01 13:55ヘレナの講演録一月ほど前でしょうか。あるメーリングリストで、辻信一さんがお薦め下さった冊子です。私も読みましたが、とても良い冊子と思います。特に、冒頭のヘレナ・ノーバーグ・ホッジさんの講演録は、問題点が良くまとめられ、そして、それに対する解決策も、簡潔に整理されて述べられていて、感嘆符がつくくらい、よい講演録でした。こんなにわかりやすく、しかも説得力に満ちた話ができるのは、流石にヘレナです。地に足のついた考察と、それを纏め上げ、表現する力は、やはり稀有な才能かもしれません。これだけ上手くまとまった話を読んでいると、私のブログなんか、書くのを止めてしまいたくなるくらいです。特に、いま私が一番共感したのは、学校教育のこと。学年別に集められ、一括して教えられる旧西洋式の学...
2009.05.02 08:10逆転のスパイラル (2)昨日の記事に「システム思考」という言葉が出てきましたが、ちょっとそれについて補足しておきます。お互いがお互いに影響を与え合い、その無数の相互作用の集積で世界は成り立っていると考えられます。経済活動も同様です。その複雑な相互作用の集積である経済を、分析的に完全に把握しようとするのは、所詮無理な話ではありますが、そのような複雑な世界を、何とか理解しようとする努力の一つに、システム思考と言うものがあります。複雑な相互作用の集積の中で、ある程度の重要な要素を把握し、その因果関係の流れを、図解的に理解していく方法です。特に新しいことでもなく、その基本は、「風が吹くと桶屋が儲かる」とほぼ同じです。唯一違うのは、「風が吹くと・・・」は勝手な因果関係をこじつけています...
2009.05.01 03:48逆転のスパイラル (1)最近、日中の仕事がにわかに多くなり、ブログの更新カレンダーが虫食い状態のようになってしまっています。しかし、このブログをお読みいただいている、何か大事なことに気づき、それに従って、未来を創って行くだろう有意の方々に、なるべくお役にたてる記事を書きたいので、その点はご容赦いただければと思います。「新しい社会の基本がわかる」シリーズの途中ですが、仕事の資料の整理をしていたら、昨年の秋に、ある機関に頼まれて書いた原稿だったのですが、紙面の都合上、半分しか掲載されず日の目を見なかった文章が見つかりました。今の社会経済状況の様相を、システム思考的に考えていった文章です。そこで、忘れないうちに、その文章の大事な部分をピックアップして、今日と明日とに二分してアップし...
2009.03.21 04:08資本主義はなぜ自壊したか 中谷巌氏この一週間、5つの企画を同時に考えていたので、ちょっとブログを書く元気まで出ませんでした。ちょっと間が空いてしまい、この間、アクセスしてくださった方には、大変、申し訳けありませんでした。さて、今日の本題です。資本主義はなぜ自壊したのか 「日本」再生への提言中谷 巌集英社このアイテムの詳細を見る中谷巌氏と言うと、これまで構造改革、自由主義的な論者として、政府の御用学者として、の一面しか知りませんでした。そのようなこともあって、いまどき資本主義の自壊の本を出しても、私たちからすると遅すぎだし、きっと世相に迎合した、とって付けたような議論の本だろうなと思っていました。しかし、先日、本屋でこの本を手にして、そのような思いは吹き飛びました。サブタイトルに「日本再...
2009.03.13 06:52Ancient Future ~ ヘレナ・ノーバーグ・ホッジサティシュ・クマールの今秋の招聘を企画されている方から、ヘレナ・ノーバーグ・ホッジさんのインタビュー記事が、ネットで今日から公開されるとの情報を頂きました。私が留学していたころ、ヘレナは学校のすぐ近くに住んでいて、頻繁に学校に来られていました。学校でスピーチをするときもありましたし、夕方に散歩がてら、ご主人とともに遊びに来られる時もありました。もともとはジャーナリストだけあって知的好奇心は強く、「知恵の樹」(左のお奨め本参照)の共同執筆者であり、その後、認識論や哲学の分野で世界的に注目を浴びていた、故フランシスコ・ヴァレーラが来て講演したときも、大勢の聴衆の中で、後方の席から大きな声でヴァレーラに質問していた姿が忘れられません。ヘレナと言えば思いだす6...