Das Wesen der Farben ~ 色彩の本質

「未来の人間は、流動する色彩とともに、
 生きることを学ばねばなりません。
 それは魂を大きな生命力で満たし、
 生き生きと健康にすることでもあるのです」
 (ルドルフ・シュタイナー/西川隆範訳)

シュタイナーの色彩論の講演録
「色彩の本質・色彩の秘密」
の一節です。

色彩の本質・色彩の秘密(全訳)
ルドルフ シュタイナー
イザラ書房

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子供の歯の抜け換わりが始まり、
最初の7年期から、
新たな成長の段階に入りはじめた時を同じくして、
シュタイナーの考え方を踏まえた絵画教室に、
子供が通い始めるのを機会に、
昔読んだ、
シュタイナーの色彩論のこの本を、
再び手に取りました。

色にはそれぞれに性格があります。
色と色が隣り合うと、
そこにまた違った性格が現れ出ます。
それは、人間の意識のみならず、
内面にも働きかけます。

思えば、様々に色が溢れる現代社会の、
色の使い方の多くは、
色が人間に与える影響を、
完全に無視している場合が、
多いのが実際です。

ケバケバしいチラシや、
繁華街の色の洪水を見ていると、
何とも心が落ち着かず、
人を疲れさすのは、
そのためです。

意外にも、
色の専門家とも言える、
グラフィックデザイナーと称する人や
インテリアデザイナー、
服飾関係のデザイナーであっても、
色の本質には無関心な人が、
少なくない感じがします。

人間には、誰にも、
色の本質を感じとる能力があります。
色に関心を持つか無関心かは、
色の大事さに気づくか気づかないかが、
最初の分かれ目だと思います。
これは間違いなく、親の大事な役目でしょう。
もし、色の大事さに気づけば、
その人は、色の本質を感じ取り、
適切な色を使う能力を、
自然と使い始めるはずです。

色と人間は、
まるでダンスをしているようなものです。
適切な配色をすることで、
人間と人間を取り巻く環境との間に、
調和の取れた関係が出来上がります。
世の中の多くのものに対して、
色の調和についてもっと気が配られたら、
どんなにも美しい街や暮らしの環境が
できることでしょう。

色と配色と同じように、
音とメロディーにも同じことが言えると思います。

「私たちは、
 色や音によって刺激を受け、
 生かされている。」

これは過言ではない、
大事なことだと思います。

ゲーテが発端となり、
シュタイナーが発展させた色彩論については、
こちらの本が、分かりやすく、
私としてはお奨めです。

色彩のファンタジー―ルドルフ・シュタイナーの芸術論に基づく絵画の実践
エリーザベト コッホ,ゲラルト ヴァーグナー
イザラ書房

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