「分離」意識を植え付ける文化

私たちの多くは、
物と物、自分と他人、自分と物、
自分と植物、自分と動物、自分と地球・・・
について、自分と他とは分離していると考えるのが、
ごく普通であり、
それが当たり前のこととなっています。

日本では、一般には明治の文明開化以降、
西洋の考え方が流入して、
その意識は一層強くなりました。

西洋では、15世紀、16世紀の頃から、
急速に変化していったそうです。
特にデカルトが、
客観的に観察できるものしか信じずに、
モノをできるだけ細分化して単純化して考える。
そして、個を集合させると全体になる。
といった、機械的な世界観を発表しましたが。
それが、その時代の空気に合ったのか、
急速に世に広がっていったのが、
大きな要因の一つではないかと考えられています。

実は、親子の間や初等学校のなかでも、
子供に、あえて分離意識を植え付けてしまうような、
子育てや教育がなされています。
そのために、世代を超えて、
分離意識が継承され、
今のように大半の人が、
強い分離意識を持った世界となってしまいました。

例えば、算数においても、
一番最初に教えるのが足し算。
1+1=2
これは、1という分離したものが2つあり、
それが集まって2となることを意味していますが、
そのエッセンスは、
先のデカルトの考え方そのものです。

とても些細なことですが、
こういった教育や、
親自身が分離意識を強く持ち、
日常の会話などを通して、
その考え方を子供に伝えるものですから、
子供も強い分離意識をもった大人に育っていきます。

この分離意識は、
現代の科学技術の発展の礎となりました。
そして、貨幣偏重の経済、競争資本主義を推進する力となりました。

また、分離意識ゆえに、
人は、孤独や寂しさ、敵対心、
恨み、妬みなどを強く感じるようになり、
また、意識の面で自然と切り離されたことから、
著しい環境問題が発生してしまいました。

多くの方が気づかれているように、
私たちの分離意識は、
少し行き過ぎてしまったかもしれません。
そろそろ、「個」も大事ですが、
「全体」との繋がりをしっかり踏まえる世界観を、
育んでいく必要があるかと思います。

そのあたりのことがわかっている人は、
子供たちには足し算を先には教えないそうです。
あえて言うならば、
2という全体があって、
それを平等に二つに分けるなら、
1が二つできると、教えるそうです。
あくまで、全体ありきで、
足し算より、むしろ割り算の形で、
数を教えるのだそうです。

現在の小学校等では、
今も分離意識を育む教育が進められています。
その是正は、明日からでも、
出来るだけ早くに手をつけなければならないと思っています。

また、環境を教える高等教育においても、
同じことが言えます。
今のままで研究、教育を続けていっても、
全体が繋がっている自然界を相手にしては、
最適な解は決して導き出せません。
そのあげく、
学生を誤った方向に導き続けることになります。
これは、同じく自然を相手にする、
医学、健康、獣医学などにもあてはまります。

これからの高等教育においては、
まずは、機械論的、還元主義的世界観が、
必ず誤謬を含んでしまうことを、
しっかり理解する必要があります。
その次に、
分離意識(機械論的、還元主義的世界観)を、
完全には捨てないまでも、
少しわきにおきつつ、
全体論的な視点(哲学)を基本に、
地球生命系の原理、摂理を学び、
その理解のうえで、全体と最も調和できる解を、
見つけていく方向に進まないといけないと思います。

これは今の日本の学校教育全般にわたり、
完璧に欠けている致命的な問題です。

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