正義とは何か・・・

4月から事業再建のプロジェクトに参画してからというもの、
あっという間に2か月がたってしまいました。
そろそろ最初の本格的な山場を迎えてきたことから、
今は、朝起きてから布団の中で考え、
ご飯を食べながら考え、
トイレの中でも考え、
夢の中にも出てきたりと、
ほぼ24時間モードでの仕事です。

こういった24時間モードでの仕事は、
プランニングなどの仕事の場合には結構あることで、
決定的なアイデアは、
朝の寝床の中や、トイレの最中に生まれたものが多いのが実際です。

さて、数週間前の日曜日のこと
八ヶ岳から愛知県に移動する道中に、ふとテレビの音声をつけると、
教育テレビでハーバード大学のマイケル・サンデル教授の授業の番組をしていました。
高速道路を走っていたので、トンネルで音声が途切れるなどして、
断続的にしか聞けませんでしたが、
「正義」とは何かをテーマにした講義で、
思わず、耳を傾けました。

先週は、映像で見たかったので愛知への出発を遅らせて、
自宅でテレビで見ました。
大講堂いっぱいの生徒が熱心に授業に参加している様子が映し出され、
非常にうまく授業を構成するサンデル教授はさすがでした。
華僑系の学生が非常に多いのも印象的でした。
今のプロジェクトにも関連することから、
結構真剣に見てしまいました。

アリストテレスの目的論を中心にした講義でしたが、
2000年以上前に生まれた目的論が、
現代のエコロジーを考える上での方法論の一つとなっている、
システム理論の基本の中に息づいていることは、
私にとって新鮮な発見でした。

そもそも正義というものは、
その時の状況、立場、世相、時代のパラダイムによって変化します。
そういったとりとめの無いものに対して、
理論だてし、理屈として説得力をもたせようとしたものが、
“ハーバート流”の正義です。

“ハーバート流”の正義は、
その理論だてを知っているか、知らないかによって、
その場を支配するか、支配されるかが決まってきます。
言い換えれば、正義であるか、そうでないかに振り分けられてしまうのです。
世界を支配するためのツールが、
ハーバードの大きな講堂で、
世界から集まった優秀な頭脳に刷り込まれていくのを見ていると、
ちょっと恐ろしくもあります。

来週のテーマは、
もしあなたが戦場で殺戮を命令された場合、
愛国心に従って実行に移すか、それとも、
良心に従って命令を拒否するかについて、
それを目的論と倫理学の両面から考察し、
議論するのだそうです。

番組の最後に、千葉大学法学部の小林正弥教授が、
授業の内容について解説をなさっています。
小林教授は、公共、平和に関しての分野についての研究や活動でよく知られた方です。
これから益々、日本にとって、世界にとって大事な方となるでしょう。

小林教授を見ているうちに、
ふと突然、記憶が一気に20年近くさかのぼって行きました。

以前にこのブログにも登場していただいた、
かつて一緒に仕事をしていた小林さん
仕事の合間の何かの会話の中で、
お父様が著名な憲法学者で、お兄様が千葉大学の助教授であると話されていたのを思い出しました。
そう思ってテレビの中の小林教授を見ていると、
どことなく小林さんに似ている気がします。
年齢的にもぴったりはまるし、きっと間違いないでしょう。
いつか何かの機会に聞いてみましょう。

Think Beautiful

未来に残したいリジェネラティブな社会づくりを考える

0コメント

  • 1000 / 1000