数日前、ちょっと嬉しい記事を見ました。
私がまだ若かったころに憧れの仕事人だった方。
今やデザイン界、マーケティング界の重鎮でもある、
谷口正和さんのブログです。
谷口正和氏~発想の画帖
「社会を創造するマーケティング戦略」
私なりに行間を推測しながら短く要約すると、
これまでの「予測する」ことを主体としていたマーケティングから、
社会的な視点に立って、生活者を主人公とした、
あるべき社会を「創造する」マーケティングへの転換が必要とのこと。
マーケティングの役割が変わるといった内容です。
先日、私が書いた「共通価値」「社会価値」と同じような流れの内容です。
私にとってのカリスマの方が同じような考えであることを伺い知って、
何となく安堵感のようなものを感じます。
谷口さんというと、
彼の著書「直感の原則」は、
私が若いころ、いつも私の本棚の目立つところにおいてありました。
私も、谷口さんをそのまま追いかけて行けば、
また違った人生を楽しめたと思うのですが、
東京から八ヶ岳に移り、
シューマッハカレッジに留学したあたりから、
人生の路線が切り替わっていってしまいました。
しかし、ここにきて、
過去に別れた路線と、今歩んでいる路線とが、
奇しくも、再び合流していくのではと感じています。
近年、マーケティングの分野では、
他にも、谷口さんのような主張をされる方が目立つようになってきました。
マーケティングというのは、
社会の動きに敏感で、一番早く反応する分野だからでしょう。
三浦展氏の「第四の消費」はお薦めです。
過去の消費社会の流れが良く説明されており、
そのうえで、これからの消費がどのように変化していくかが書かれています。
私にとっては、自分が育ってきた高度成長期以降の時代を、
人々の価値観の変化という視点で振り返ることができ、
結構面白く読めた一冊です。
消費材の製造業や流通・販売業を営む経営者の方には、
今年読むべき本の一冊であることは間違いありません。
朝日新聞出版
ビジネスの世界においても、
その当事者の大半はまだ気づいていませんが、
今、その根底が変わる、大きな変化のスタート地点に立っています。
その会社に関係するメンバー一人一人の、
社会(サービスや財を受け取る人や自然環境を含む)に対する想いが、
切り捨てられることなく活かされる経営。
そのためには、組織から、物事の決定の仕方に至るまで、
その構造を根本的に変えていかなければなりません。
すると、ごく自然に、
その会社の経営方針が変わっていき、事業内容も変わっていきます。
次第に、これまで分かれていた“経済活動”と“社会活動”とが、
だんだんと境目がなくなっていき、いずれ一緒になっていくことでしょう。
それはある意味、「経済」の語源ともいわれる、
「経世済民、経国済民」に、
立ち戻ることでもあるのかもしれません。
ビジネスは、今の世界の中心に位置し、最も影響力があります。
ここが変化することにより、社会は大きく転換していきます。
逆に、ここが変化しないと、社会の変化も極めて限定的です。
ですから、いま地球上で一番影響力の大きなこのセクターを、
よりよい姿に転換させていく努力こそ、今、一番大事なのです。
では、どのように変化させていくのか。
このブログでも散発的にその一端を書いてきましたが、
これまで考えてきたことを、
わかりやすい切り口で、
きちんと体系的に整理してまとめる必要がありそうです。
私自身も、来年以降どのような活動をしていくか、
真剣に考えていかねばならない時期にきています。
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