地球生命系に関する新しい研究によって、次々にその特徴がわかってきました。
その特長にこそ、私たちが地球生命系と共生できる新たな社会づくりのための、大事なヒントが含まれていると言われています。
その生命の智恵とは一体どのようなものなのでしょうか。
これまでの生物学の主流は、世界はあたかも機械のように出来ていて、それらを細かに分析していけば、世界は把握できるというものでした。
これを機械論的な観察などと呼びますが、極めて複雑な世界を、個別な分析だけによって観察しても、それは、例えて言うならば、複雑な立体のある一部分だけを観察したにすぎず、かなり偏った一面的な理解にならざるを得ません。
そのために、今の環境問題や健康問題など、様々な問題を引き起こした原因にもなっていると言われています。
その一方で、生命のみならず、世界の全ては、密接に相互に深い関わりを持っており、個と全体の関係を常に重視して観察するといった、全体論的なアプローチをする考え方が出てきました。古くはギリシャ時代にさかのぼりますが、20世紀以降、構造主義生物学、量子力学、そして、複雑系科学の進展によって急速に発展してきたものです。
全体論的な観察も、決して完全なものではありませんが、機械論的な観察を補完するものあることは間違いありません。全体論的な観察と機械論的な観察とをつきあわせながら、生命を理解することが大事だと考えられます。
そういった、全体論的な視点を加味して地球生命系を見た場合、これまでの生物学では注目されなかった様々な特徴が見えてきました。
米国で新しい経済の仕組みを研究するデビッド・コーテン氏はそれから得られた地球生命系の特徴から、これからの社会のための教訓を6つの特徴に分けて説明しています。わたしとしては、それに7つ目を加え、また、わかりやすく表現を書き換えて、次のようにしました。
1)自己組織化 ~ 当事者による主体的な運営
2)必要十分であること ~ 最小限必要なものを、必要なだけ
3)地域が基本であること
4)協調の重視
5)適度な境界をもつこと
6)多様性の維持
7)自主性の高い創造的な個人であること
このブログをお読みいただいている皆様の多くにとっては、すでに当たり前で、親しみの深い言葉ばかりかと思います。
(旧ブログ「ひできの八ヶ岳ブログ」より修正・掲載)
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