2020.04.17 01:13変化していく世界、遅れる日本ニュージーランドのジャシンダ・アンダーソン首相やはりこの人には注目すべきところがあります。迅速で的確だったコロナ対策のみならず、以前にあったクライストチャーチの襲撃事件の時の対応でも素晴らしいものがありました。若干39歳でありながら、判断力、決断力、統率力とも優れたリーダーシップを発揮できるのはなぜなのでしょうか?それはきっと、物事を考える基本となっている指針がとても明瞭だからに違いありません。国民が不安なく安心した暮らしができるために、しなくてはならないことは何かを第一に考えているため。それによって、今や意味の薄れた古い慣習や考え方を再考しながら、新たな社会づくりを始めています。ニュージランドを始め、先ゆく国々がどんどん新しい取り組みを進めていってい...
2020.03.15 11:08SDGsとダラムサラ・エコビレッジプロジェクト企業が、すべての人の幸福を第一に考え、地球環境と共生しながら、それを実現できる社会づくりを行っていく。今、ようやく広まりつつある国連のSDGsの活動は、そういった社会づくりへの架け橋となっています。企業がSDGsを事業に組み込むときに、根本的な土台として大事になるのが、それを検討するときの基本的な考え方、指針のようなものです。例えば、「真の幸せとは何なのでしょうか?」「人は何のために生きているのでしょうか?」「人間と自然はどのような関係であるべきでしょうか?」「社会はどうあるべきなのでしょうか?」とても身近な問いだけれども大事なこと。答えは一つではありませんが、一人一人が自分なりに考え答えられることが、これからは必須になってきます。それが、SDGsに向...
2020.03.05 13:30世界を変える二つの魂大人は気候変動への対策にもっと真剣に取り組んで欲しいと、一昨年から活動を続けているグレタ・トゥーンベリさん。一部のおじさん達や政治家の人たちからは、何だか大人げない反発の声が聞こえてきますが、 何十年も環境やエコロジーのことに関わってきた私からすると、グレタさんは何も間違ったことは言ってません。むしろ、反発の声の方に違和感を感じます。去年あたりから欧米各国や企業において、気候変動対策への取り組みや、より社会性を意識した企業への見直しの議論が、急速に活発になってきました。各国や企業も、これまで、どちらかと言うと受身的な対応が多かったのが、グレタさんが益々注目されてくるにつれて、これはのんびりしてはいられないと一気に前に動き出した感があります。東日本大震災...
2019.03.25 13:08自然から学ぶ社会のしくみ(4) ~ 必要なものを必要なだけ・・・健康な生命の営みでは全てに無駄が無く、生命の維持に必要なエネルギーは、必要なだけ作られて消費されます。たわわに実っている果実も、種の継承に役立ったものの他にも、動物や虫の食料になったり、土の肥料となったりと、結局は循環する生命系の営みの中で見事に全てが役目を果たします。捕食動物の代表であるライオンも、おなかが減っているときは一生懸命獲物をとって食べますが、そうでないときは目の前に小鹿が通りかかっても見向きもせずに寝ています。人間以外の生き物は過剰な欲を持たず、必要最小限なものを必要なだけ自然界から頂くという、自然界の鉄則のようなルールに従って生きています。ネイティブインディアンや日本でもアイヌなどの古い伝統の中にも、最小限必要なものを、必要なだけ自然界...
2019.03.24 05:51自然から学ぶ社会のしくみ(3) ~ 自己組織化の条件とはその2では、自然界の自己組織化が新しい社会の一つの基本になる可能性について書きました。それが人間社会において起こりえるのかどうか、起こるとしたらその条件とは何かということが今回のテーマです。自己組織化の本質は「協調」にあります。今回のテーマを“協調的組織”作りのための条件、と言い換えることも可能です。ただし、ここで一つおことわりしておきますが、人間社会にも自己組織化が・・・といっても、学問の世界でいう厳密な意味での決定論的な自己組織化が起こるかということを述べているわけではありません。生物の世界で起こっている自己組織化をメタファーとして、そのメリットが活かされる組織づくりが可能かどうかと言うことです。やや長文ですので、お暇なときにゆっくりとお読みくださ...
2019.03.24 05:32自然から学ぶ社会のしくみ(2) ~ 生命の基礎=自己組織化自己組織化生命の自己組織化とは、生命自身が自らを形成し、それを維持、自己管理していくことです。自己組織化という言葉は、生命だけに使われるものではありません。単なる物質の世界でも起こります。物質の世界で起こる自己組織化の様子は、まるで生物が活動しているかのような活き活きとしたものです。YOUTUBEを探したら、自己組織化の実験の映像がいろいろ出てきました。自己組織化を心にイメージするのにそういった映像はとても役に立ちます。中でも、結構楽しめるものをご紹介します。1) Belousov-Zhabotinsky reactionhttp://www.youtube.com/watch?v=bH6bRt4XJcw
2019.03.24 05:12自然から学ぶ社会のしくみ(1) ~ 生命の智恵から学ぶ地球生命系に関する新しい研究によって、次々にその特徴がわかってきました。その特長にこそ、私たちが地球生命系と共生できる新たな社会づくりのための、大事なヒントが含まれていると言われています。その生命の智恵とは一体どのようなものなのでしょうか。これまでの生物学の主流は、世界はあたかも機械のように出来ていて、それらを細かに分析していけば、世界は把握できるというものでした。これを機械論的な観察などと呼びますが、極めて複雑な世界を、個別な分析だけによって観察しても、それは、例えて言うならば、複雑な立体のある一部分だけを観察したにすぎず、かなり偏った一面的な理解にならざるを得ません。そのために、今の環境問題や健康問題など、様々な問題を引き起こした原因にもなっている...
2018.01.12 14:03もしお金が紙くずになったら ~ お金を必要としない世界へお金が紙くずになってしまうと、経済は大混乱に陥り、生産やサービスが止まり、食や燃料の供給はなくなり、 世界中が困窮してしまうのでしょうか。そのことを書く前に、 お金のことについて、少し整理をしておいた方が良いかもしれません。 譲渡で成り立つ本来の暮らしもともと人類は、 私たちの家族が、家庭の中ではお金を使わないのと同様に、 持てる人が、必要としている人にあげるといった、 純粋に"譲ってあげる”ことで、 暮らしが成り立っていたと考えられます。それは、今日においても、 家族や親戚などごく近い関係の人々の間や、 現代文明との接触の少ない集落において、 ごく自然に行われていることです。 多分、大昔は...