2012.10.31 14:14社会の中での自由とは・・・大統領選も最終段階に入っています。お互いに支えあい、共存共栄する社会を理想とするオバマ氏と、自由競争を促進し、勝者生存の論理で、勝者となって、弱者を踏み台にして生き抜こうという考え方のロムニー氏と、みごとに対照的な候補が競い合っています。しかも、支持率が半々と言うのも、今のアメリカの世相をよく現しているように思います。現代の社会において、ものすごく多くの人が、「自由」というものを拡大解釈して理解している感じがします。「自由」は、心や精神の自由であって、物質世界の完全な自由を意味するのではありません。ご存知の方も多いと思いますが、トマトを、生育に対する阻害要因を一切なくした特別な環境の中で育てていくと、トマトは、数え切れないくらいの実をつける巨大な木にま...
2012.10.19 08:39知恵のある人ある人が首長や社長になったとたんに、大幅な給与削減やリストラを行い、それが財政の立て直しに功を奏したと、評価される声をよく聞きます。しかし、経営を専門にする私からすると、人件費をカットすることは一番安直な方法で、ある意味、その気さえあれば誰であってもできるやり方です。すぐに給与削減やリストラを口にできるのは、その人の心の冷たさと能力の不足を露呈しているにすぎません。世の中には、自分のために人を犠牲にする傾向の強い人と、人を想い人のために働く傾向の強い人とがいるように思います。誰もが、それぞれに傾向の強さを持っています。その傾向が、明らかにわかる人もいますし、どちらの傾向が強いのか、わかりにくい人もいます。しかし、政治家や会社の経営となると、その行動や発...
2012.10.04 23:55経済成長と自由貿易 ~ 私たちの暮らしはどうなるかフィナンシャル・タイムズ紙が、“経済成長は永遠に続くか”という記事を掲載していました。それを読みながら、今後の社会の在り方について、いろいろと考えてしまいました。先進国においては、19世紀から20世紀にかけた200年間の間に、主に化石燃料の利用による技術革新のおかげで、それまでは人や動物の力などに頼っていた動力が、飛躍的に大きくなったことから、水道、エネルギー、交通をはじめとしたインフラが整備され、ほぼ大多数の人が生きていくのに十分な物資や食料を生産し、人々が手に入れることができるようになりました。急激な人口増加も含め、人類の長い歴史の流れからすると、まさにビックバンに相当する変化でした。しかし、20世紀の後半にかけて、その技術革新の恩恵がほぼ全てに行...