日本の先を歩み始めたアメリカ


オバマ次期大統領が就任式を前に、
既に政策の一環としての行動を始めていました。

オバマ次期大統領は、就任式のイブとなる1月19日のマーチン・ルーサー・キングJrの祝日に、国をあげて、市民が地元コミュニティーのために集まり、助け合うことをやろうという“Renew America Together”というイベントを計画しています。いま直面する経済問題やその他の問題に対して、近隣の住民がお互いに助け合うことで、乗り切ろうというものです。

そして、国民が地域のために働くことを継続的に推進するためのホームページとして、USAService.orgが既につくられてスタートしています。このサイトでは、誰かが自分で地域活動を立ち上げたときには、ここに登録して人を募集したり、また、そうでない人も自分が参加できる地域活動を探せるようになっています。10日の時点で既に約4000件の登録がなされているそうです。

オバマ次期大統領はもちろん、ミッシェル夫人、そして、コリン・パウエル氏も、ビデオレターや記者会見などを通じて、積極的な呼びかけを行っています。19日には、本人たちもワシントン近郊で、地域ボランティアに参加する予定だそうです。

ミッシェル夫人の呼びかけの中で、マーチン・ルーサー・キング氏の言葉が引用されていました。

If you want to be important -- wonderful.
If you want to be recognized -- wonderful.
If you want to be great -- wonderful.
But, recognize that he who is greatest among you shall be your servant.
That's a new definition of greatness.

人々が、地域を大切にし、お互いに連帯して助け合い、
分かち合って生きることの重要さを、
オバマ次期大統領は知っています。
特に、この深刻な経済危機を乗り越えるためにも、
生きた地域コミュニティーを再生することが急務であると考える、
オバマ氏の強い信念が伺えます。

これは、世界のどこの国でも言えることだと思います。
自分たちの地域は、自分たちで良くして行き、
経済も、これまでのように海外に過度に依存するのではなく、
適度に地域で循環する社会にしていくこと。
いつ何時、深刻な経済危機や大きな問題が起きたにせよ
そういった地域コミュニティーが確立されていれば、
お互いが助け合うことで乗り越えることができます。

さらに言えば、
お互いが信用できる地域コミュニティーがあれば、
もし貨幣システムが崩壊しても、
地域の人々は、お互いに助け合うことで生きていけるのです。

これは本当に急がなければならない課題です。
地産地消の推進や、
オバマ次期大統領も力を入れている、
地域ボランティア活動の推進と市民の地域貢献意識の向上とが、
まずその最初の第一歩となります。

そして、ビジネスにおいても、地域に根ざした、
人々の暮らし「質」を高め、人々の心の豊かさに繋がる事業が、
これから重要になってきます。
人々の価値観が変わり、モノへの執着が薄れていく中で、
停滞する消費意欲を引き出すことのできる、唯一の鍵となります。

何か手本がないと何もできない日本を残して、
アメリカは、先を歩き出しはじめたようです。
過去200年続いてきた社会構造・経済構造の、
根本的なリニューアルに取り組み始めた、
と言ってもよいのではないでしょうか。

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