そういえば、その昔、船井総合研究所の船井さんの2日間集中講座に参加したとき、船井さんが、どうして目に見えない世界に興味をもち、探求されていくことになったかを話されたことがありました。
彼がスイスの銀行家と会ったときに、その銀行家が、ヨーロッパのエリート中のエリートは神秘思想に造詣が深く、その考え方に基づいた活動をしているとの話をしてくれたことがきっかけなのだそうです。
ダンテ、ダビンチ、ゲーテ、アイザック・ニュートン、そして、アインシュタインもそういった神秘主義に関心を持ち、特にゲーテなどは、ある結社の代表的な人物でもあったそうです。歴史上、重要な芸術や文学を残した多くは、というよりは、その大半は神秘思想に深く関わっていたようです。
西洋で言う神秘思想は、その根底はチベット密教、インド仏教、日本の古神道などと、その基本は近いものと考えたらよいでしょうか。いままで、そのことはほんの一部の人にしか知られてきませんでしたが、シュタイナー人智学などが広範に知られてくるようになって、多くの人が知るようになってきました。私自身も、神秘思想を知るきっかけはシュタイナーでした。
いま私が読んでいる本はジョナサン・ブラック氏の書いた「世界の歴史」と言う本です。ブラック氏は、オックスフォード大学の出身で神学を修め、大手出版社で編集の仕事をするかたわら、神秘思想に関しての情報や、実際に神秘思想家へのインタビューを行ってこられました。その20年にも及ぶ調査の結果に基づいて、世界の歴史のなかで、いかに神秘思想が多大な影響を及ぼしてきたかを、豊富な資料とともに著したものです。
まさに西洋の歴史、思想、芸術、文学、そして科学の基礎となってきた神秘思想を知ることは、とくにその知識が決定的に欠けている日本人にとって、世界の本流を正しく知る上でとても大事な気がします。その点で、大著ではありますが、この本はとても良いテキストだと思います。
ちなみに八ヶ岳にあるセラヒウムという自然食レストランのご主人は、日本でも数少ない、ヨーロッパの神秘思想の神学校で学ばれた方です。時折、勉強会もされています。同行されていた奥様が心をこめて作られる料理やパンは、非常に美味しく、私の八ヶ岳の一番のお奨めです。
0コメント