終わる新自由主義経済


新しい日本を建設する
藤原 直哉
ファーストプレス

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藤原直哉氏の新著「新しい日本を建設する」では、資本主義が発生してから、今日に至るまでの変遷が分析され、特に規制緩和と市場原理を進める「新自由主義」型の経済の本質と功罪について詳しく論じられています。この本は、タイトルにある「新しい日本」については、あまり書かれていないのですが、紙面のほとんどを費やして論考している新自由主義経済については、他に類を見ない分析であり、お勧めです。

「新自由主義」は、人々に、規制緩和と市場原理、株主至上主義が絶対であるかのように信じ込ませました。そして、企業には、常に株価を意識し、企業価値を最大化することを義務として、短期的な利益を追求する方向に仕向けました。企業は、出来るだけコストは削減し、労働力さえコスト=モノとして扱うことが正しいと考えるようになりました。

そして、富は富を持つ者に集まり、貧しいものは益々貧しくなる仕組みが出来上がりました。また、この考え方に沿わない人々や会社は、いやおうなくマーケットから排除されることから、自分たちで自給自足のシステムを作らない限り、生きていくことはできなくなりました。新自由主義の洗脳の力は極めて強く、そして恐ろしい仕組みです。

その策略にまんまと乗せられ迎合したのが、自ずと知れた小泉・竹中・安部・中川・・・などの自民党と民主の一部議員、一部官僚たちでした。

それを考えたとき、突然の辞任劇に世間を驚かせた福田氏ですが、実は、そういった自民党議員をすべて内閣から排除し、日本を新自由主義の企みから救った点で、高く評価されるべき首相だったといえるかもしれません。多分、大きな影響力をもった勢力に対峙した福田氏には、私たちの想像を絶する圧力や、嫌がらせがあったと思います。そして、その背後関係を十分に理解していないマスコミや、議員からも非難を浴びることとなり、結局は辞めることになったのではないでしょうか。

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