今の火力やダムそして原子力といった巨大な発電所にとって替わって、今後は、各地域や各住宅での小規模な発電が中心となってくるはずです。地域で必要な電力は地域でまかなうシステムにシフトしていくと思われます。しかし、それぞれが単独で発電を行っていたのでは、いざ故障したり、災害が起きたりしたときに困ってしまいます。また、電力が余ったり、逆に何らかの理由で一時的に不足したりすることもあります。そこで、無数にあるエネルギー発電基点をネットワークでつなぎ、それぞれの発電量と需要をモニターしながら、お互いにエネルギーを安定して供給し合える、非常に高度な管理が出来る仕組みが必要となります。
オバマ大統領が発表した新エネルギー政策の中に、「スマートグリッド」という技術を使って、全米の全ての地域に新しいエネルギー網を構築する政策が盛り込まれています。これは、まさに先ほどの仕組みを実現する技術です。エネルギー産業界の大御所のGE社と、高度な計算処理の仕組みの部分は、なんとIT産業のGoogleが担当するようです。
GE & Google パートナーシップ
これが全米で実現すると、例えばネバダ砂漠のような乾燥地では太陽光や風力で発電し、山岳地帯では間伐材やミニ水車群による発電、都心部や住宅地では燃料電池による発電といった、中小規模の発電システム群で需要をまかなうことが出来るようになり、石油や天然ガスに頼らないですむ社会への実現に一歩近づけます。
もし、日本でもこれが導入されれば、石油や天然ガスに頼らなくてすみ、エネルギーの自給自足に一歩近づきます。これまでのように常に高いエネルギーコストを払い、その分を輸出産業がまかなう必要がなくなるのです。すると、今まで輸出に頼らなければならなかった産業構造が大きく変わり、内需中心の循環型の経済が可能となっていきます。きっと、今までよりはるかに豊かで安定した社会を実現する重要な基盤になるはずです。
0コメント