アーバン・パーマカルチャー

いま、ひそかに目論んでいるプランがあります。
それは、ある企業城下町の、
玄関口になっている駅に程近い、
数千坪の土地にあった工場が移転することになり、
街の中心に位置するその土地を、
アーバン・パーマカルチャーとして、
再開発する計画です。

アーバン・パーマカルチャーと言っても、
そういったモノが出来るわけではありません。

アーバン・パーマカルチャーとは、
何を作るにしても、
自然環境に調和するとともに、
人間にも他の生命系にもやさしい、
持続可能な、人間と自然との関係が保たれた、
そういった場所にするということです。

目論んでいるその場所は、
街の中心だけに、
周囲は、ビルや住宅が立ち並び、
緑はほとんどありません。

そういった場所に、
たかが数千坪、されど数千坪の、
緑の一角が再現されるわけです。

私の目論みはその土地の中だけに、
限られたものではありません。
この開発をきっかけに、
周辺の道路や、住宅、ビルにおいても、
自然を呼び戻すことができる場所が少しでもあれば、
そこに緑を植えてもらう。
或いは、池や小川を復活させてもらう。
そして、住宅やビルの周囲には、
毛細血管のように、
緑のネットワークが広がり、
小動物や昆虫たちが身近に生息する、
そういった街にしたいわけです。

その第一歩を、
この数千坪の土地で始められれば、
単にエコロジーの面だけでなく、
教育、福祉、産業、
そして、人々の気持ち、考え方にも、
様々な面に影響を与え、
社会が変わっていく推進力になるはずです。

アーバン・エコロジーは、
お金がかかるものではありません。
むしろ、建築会社に任せていた従来の開発より、
お金ははるかにかからないでしょう。
雑草が生えるからとコンクリートで覆うところを、
あえて雑草が生えるようにして自然に還し、
その土地の所有者、或いは、近隣の人が、
その土地を天から借りていることのお返しとして、
ちゃんと世話をしてあげる。
まず手始めとして、
そういったことでいいのです。

例えば20階建てのビルに、
1000人の従業員がいたとします。
そのビルの周囲や、ビルのテラス、
屋上などに積極的に緑化を施したとします。
従来ならば、その管理を、
お金をかけて特定の部署に任せたり、
専門の業者を入れたりします。
こういったことは、
1000人の従業員ひとり一人が、
仕事の一環として、掃除などと一緒で、
毎日少しずつすればよいのです。
自分の専門だけの仕事をやっていればよいという、
そういった時代は終わろうとしています。
仕事の一環として職場環境の緑を整えることは、
業務の効率にマイナスになるどころか、
きっとプラスに働くことでしょう。

アーバン・パーマカルチャーは、
何も特別なことと考える必要はありません。

どうしたら、
人間も自然も心地よく住んでいけるのかを、
ビル・モリソンやシム・ベンダーリンなど、
先人が残してくれた智恵を少しばかり借りながら、
しっかりと本質を見極めてさえいれば、
その場、その時に、
自ら考え、一歩一歩進めていけば、
それだけでも、
きっと素晴らしい場所ができていくことでしょう。

過去百年は、
「大きくなること」「分業すること」「競争すること」
が効率性の源と考えられてきましたが、
それは単にある一面においての効率性で、
それ以上に、
「適切な規模であること」「繋がること」「協調すること」
の方が、はるかに総合的に効率的であることが分かってきました。

アーバン・パーマカルチャーを実現するにも、
「適切な規模であること」「繋がること」「協調すること」が大事です。
これが出来れば、コストをそうかけなくても、
持続可能なまちづくりができるはずです。

もし、話が進むようであれば、
このブログでも、その進展を逐次報告していきたいと思います。

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