カイシャが変わる

私が最近強く気にかかるのは、
いま、一般的な会社の組織形態が、
時代の変化に対応できずに、
軋しみはじめ、揺らいできているのではないかということです。
社長も従業員も、その旧来のフレームの中で、
息詰まりを感じ、お互いの関係に苦労する場面が、
増えてきているのではないでしょうか。

一般の会社などの組織のほとんどは、
そのメンバーの間に主従関係があります。
多分、大和朝廷以来続いてきたものです。
集団で何かを行おうとするときに、
特定の人が決めたことを、
他の人にやらせるには、
この主従関係のある集団が効率的です。

これまで、こういった会社が当たり前でした。
ですが、個々の従業員の、
自己実現意識の拡大、
自由と平等であることへの希求などから、
人々が、「主」に従うということが、
難しくなってきています。
それに加え、
比較的自由に転職できるようになったことから、
気に入らない「主」であれば、
「従」は転職の道を選ぶことが出き、
それも手伝って、以前のような、
堅固な主従関係が成り立ちにくい、
環境となってきました。
従来の縦型の組織形態は、
人々の考え方に、
完全に合わなくなってきているのです。

これからの時代に適した会社組織には、
○主従の関係を持たない。
○対等な人間関係をもつ。
○合意形成を積み重ねて決定する。
決して、多数決で決めないことが重要です。
○情報は全てオープンにする。
 特定の人だけが知るといった
情報の偏在を許さない。
つまり、合意形成に必要な情報は共有しあう。
○一人ひとりが主体性を持っていること。

こういった特徴をもっていることが、
まず必要と考えられます。

結構いろいろとあるので、
大変だなという印象を、
もたれるかもしれませんが、
そんなことはありません。
今の私たちは、
その正反対のことを、会社の中で、
当たり前としてやっているのです。

ついでですので、
今の会社組織の常識を書いておきましょう。
●主従関係を守る。
●上下関係を常に意識する。
(犬、日本猿と一緒だ!)
●決定は全て「主」が行う。
●重要な情報はトップだけが握る。
 給与情報などは絶対に漏らさない。
 (もらしたら不平等だと問題が起きるから)
●「従」の人は上司の命令に従うこと。

今後、
組織の活性化や健全化を目指すなら、
本当に組織自体の基本から変えていかないと、
難しい時代が近づいています。
そして、
そういった会社が少しずつ増えてくるにつれて、
旧態依然とした会社からは、
優秀な人材が流出し、
力を失っていくことになります。

組織の変容を行うためには、
今のリーダー自身が決断し、
実行していかなくては始まりません。
少しずつ、主従の関係を解体し、
個人の自律的な意識を芽生えさせていきます。
これまでのように、
年長者がチームを統率するのではなく、
若くてもまとめる能力の優れた人が、
チームの推進役になります。
年長者は、これまでの経験を活かし、
それをチームメイトにシェアしながら、
チームの一員として活躍します。
会社の規則なども変えていく必要もあるでしょう。
特に給与体系は、誰もが納得できるものに、
変更しなければならないはずです。

その次の段階には、
誰もが自分の役割を見つけて、
活き活きと活躍し、
誰かが指示を出さなくても、
自然と全体が動いていく、
自己組織的な、自律した集団が生まれてくるはずです。
そうなればしめたものです。

既に、
北海道の六花亭、メガネ21、前川製作所など、
そういったことに手をつけている会社が、
増えてきましたし、
メディアにも取り上げられてきています。

既に変化は始まっているといっても、
過言ではないでしょう。

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