私が先人たちから学んだ、あるべき社会の世界観は、
それは北斗星や南十字星のような、
目的地に向かうための指針です。
しかし私が、それらに物足りなさを感じるのは、
向う目的地に対して、
私たちが今おかれている現状を充分に理解し、
その上でどのようなルートを開拓してゆけばよいのかといった、
現実的な観点が抜けていることです。
このところ、
このブログに似つかわしくない政治や経済の話が続いていますが、
それは、いまの私達がどのような状況におかれているのかを、
しっかりと把握しなければならないと思うからです。
自民党は、選挙前はTPPも原発も慎重に議論すると言って、
わざと議論をあいまいにしていましたが、
選挙が終わったとたん、
原発担当に原発推進派の石原氏、そして、
農水大臣にTPP推進派の林氏を任命し、
反原発、反TPPを徹底的に押さえ込もうとしています。
お抱えの経済学者も、竹中平蔵氏や伊藤元重氏などが再び戻ってきました。
かつての利権政治、新自由経済政策に完全に逆戻りし、
反対する勢力が弱体化したのをよいことに、
思う存分やりたい放題です。
大量のお金を市中に注入しようとするアベノミックスは、
それはまるで、薄着で凍えている人にカンフル剤を打つようなものです。
おまけにTPPへの参加となると、
凍えている人の服を、さらに一枚はぎ取るのも同じです。
アベノミックスでは、
体温が上がるまでカンフル剤を打つつもりのようですが、
これだけのことをすれば一時的には体温は上がるかもしれませんが、
それは表面だけで、つまり資産を持っている人が資産バブルに喜ぶだけにすぎません。
アベノミックスには問題の根本を治す施策は何一つ入っていません。
完全な対症療法です。
安倍政権の支持率が50%を超えた今、
アベノミックスで行くところまで行くことになるでしょう。
そして、アベノバブルにひとしきり酔った後に、
大風邪をひき、病床の中で、
ようやくこれまでの考え方が間違いだったと気づくのも、
それはそれで、一つの社会の進化の進み方だと思います。
私がいつも主張するような、
国内生産国内消費、地産地消、地域循環型経済に向かうためには、
社会全体の様々な分野を合わせて考えなければならないので、
今すぐに方向転換というわけにはいきません。
まだまだ準備が必要です。
考え方の根っこを変えなければならないので、
多くの方の賛同を得るにも時間がかかるはずです。
そういった面も考え合わせると、
今の日本の流れは、必然として起こっていることとも考えられます。
アベノバブルの崩壊の後に、
どのような政治を行い、どのような制度を作っていくのかを、
それまでにしっかりと考えて準備しておくのが、
私たちの役目だと思います。
自己利益の最大化を原動力に経済発展する社会から、
お互いを想いやることで発展する社会へと変わっていかなければなりません。
夜明け前が一番暗いと言いますが、
今がその時。
まもなく、新たな日の出が始まるのは間違いありません。
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