昨晩のこと、
NHK-BS1で放映されていた、
ドキュメンタリー「スペースシップアース」を、
小学生の息子と一緒に見ていました。
番組は、人類の急速な増加と産業発展から、
すでに回復が難しいくらいに大きく破壊されてしまった、
宇宙船地球号「スペースシップアース」の舵を、
今後、どのように切っていけばよいかについて、
世界の賢人たちにインタビューした番組でした。
番組の冒頭からサティシュとヘレナが取り上げられ、
また、シューマッハカレッジの図書館などが画面に出てくるのを見て、
思わず懐かしいなとつぶやいていると、
隣に座っていた子供から、
「そんなこと言っている場合じゃないでしょう。
これだけ危機なのに、
どの大人も、なぜすぐに行動しないの?」
と怒られる始末。
ついこの間までオムツを取り替えてあげていた気がしますが、
いつのまにかサティシュの話を理解している子供の成長に、
ちょっと嬉しい反面、
地球環境問題の根本的な解決が、
未だになされていないことを再認識させられ、
こつんと目を覚まさせられた感じでした。
さて、そんな人類と地球の危機についてのテレビ番組を、
親子で一緒になって見た経験は、
実は、私にとっては二度目のこと。
一度目は、
それは年を溯ること1970年代。
私が息子と同じくらいの年だったころのことです。
父とともに、
やはり同じようなNHKの特集番組を見ていました。
その番組のテーマは、
環境汚染、人口爆発、地球寒冷化により、
将来、人類は危機に直面するだろうというもの。
私の記憶にあるのは、
大気汚染のためにマスクをしなければ外に出られないほど大気は汚れ、
大通りにある大スクリーンの前に、
マスクをした群集が集まり、
政府が発表する危機的な宣言を聴いている場面。
その番組は、私にはとても怖かった記憶があります。
全員がマスクをしている風景など、
当時は、まさか起こらないだろうと思っていましたが、
いつしか、それは現実のものとなりました。
地球寒冷化は地球温暖化に差し替わったものの、
あとの環境汚染と人口爆発は相変わらずの問題です。
解決しないうちに一世代がたってしまいました。
どの国も、
ブータンのように、
子供のときから精神的教養を教えられ、
国全体が質素を重んじ、心の豊かさを尊重する文化であれば良いのですが、
現代において、ブータンは例外中の例外ともいえる存在。
大半の国では、
物、お金、娯楽に心を奪われる価値観が広がっています。
地球規模の環境問題よりも、自分の目の前のことのほうが大事です。
日本も例外ではありません。
環境省こそあるものの、本腰を入れた活動はなされていません。
国の政治はどうしても、
そのマジョリティーに迎合します。
従って、国といった大きなレベルで、
舵を一気に反対側に切ることは、極めて難しいのが現実です。
多分、解決への方法は、
小さな部分から変わっていく事。
まずは自分自身が変わること、
そして、家族や知り合いといった身近な人から、
一人ずつエコロジカルな価値観を持つ人を増やしていくこと。
そして、そのような人が増えて、
その地域、或いは、何らかのコミュニティーの、
マジョリティーとなること。
小さな一歩ですが、
そのような小さな地域やコミュニティーが増えていくほどに、
国や世界も変わっていくはずです。
“Small is Beautiful.”
様々な意味で、含蓄の深い言葉です。
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