2012.08.22 12:21老子 ~ 理想の国のすがた先日、竜河氏と会う機会があり、彼に触発されて、久しぶりに老子の本を開いたところ、その中に理想の国の姿について書いてある詩があるのを思い出しました。昨今の、新しい社会作りにむけた様々な活動の中で、地域共同体、ローカリゼーション、地域通貨、伝統の復活といったキーワードが踊っていますが、それらのキーワードの全てが、この老子の第80章の「獨立」という詩に詠われています。詩の中に、文明の利器に頼らない暮らしについての記述がありますが、E.F.シューマッハが唱えた「中間技術」の考え方にも通じます。この老子の世界は、シューマッハの考え方と根底を一にしていると言っても過言ではありません。中国で中国古典に子供のころから親しみ、その真髄を知っておられる竜河氏の訳があれば良...
2012.08.18 06:43Ecological Design & Regenerationこのところ毎年のように、大学院コースを増設しているシューマッハカレッジが、来年度から新たにエコロジカル・デザインのコースを、スタートさせるようです。過去にシューマッハカレッジでは、1998年に始まったHolistic Scienceコースを基礎に、従来から希望者の多かった経済分野の、 Economics for Transition コースと、農業と食品生産に関する、Sustainable Horticulture and Food Production コースができました。そして、来年度から始まるのは、都市、街、農村の地域デザインや、教育から文化、食、エネルギーといった、社会全般の在り方を考えたデザインを学ぶ、Ecological Design &a...
2012.08.12 05:30Generosity ~ “ペイフォアワードモデル”の試みこのところ、私が読んでいるブログ等ではGenerosityという言葉が、頻繁に行き交います。普通の英和辞典で翻訳すると、寛容だとか、気前良さだとかになってしまいますが、それでは本来の意味するところを正確には表しません。ここで使われている意味は、何かを犠牲にして奉仕するというのではなく、無償で他人にモノを贈ったり、見返りを求めることなくサービスをしてあげ、他者に喜んでもらうためのみならず、自らの喜びのためにも行う行為を意味していると思われます。日本語でぴったりくる言葉が見当たらないのですが、「贈与」という言葉がやはり近いかもしれません。Generosityの体験を目的としたcaféとして話題を呼んでいるのが、このKarma Caféです。Karma ca...
2012.08.01 12:09ビジネスの大きな変化の始まり数日前、ちょっと嬉しい記事を見ました。私がまだ若かったころに憧れの仕事人だった方。今やデザイン界、マーケティング界の重鎮でもある、谷口正和さんのブログです。谷口正和氏~発想の画帖「社会を創造するマーケティング戦略」私なりに行間を推測しながら短く要約すると、これまでの「予測する」ことを主体としていたマーケティングから、社会的な視点に立って、生活者を主人公とした、あるべき社会を「創造する」マーケティングへの転換が必要とのこと。マーケティングの役割が変わるといった内容です。先日、私が書いた「共通価値」「社会価値」と同じような流れの内容です。私にとってのカリスマの方が同じような考えであることを伺い知って、何となく安堵感のようなものを感じます。谷口さんというと、...