2009.05.29 11:26【シリーズ】新しい社会の基本がわかる その6競争から協調へこれまでの社会では、自然界は弱肉強食の世界であり、生存競争が基本となっていると、教えられてきました。しかし、それは、自然界の表層を見ただけであり、奥深い、その基本となっているところが、見えていないために、そのような認識をしてしまっている、のではないでしょうか。自然界では、お互いの協調的な関係こそが、この壮大な自然を形作っている、原動力であり、基盤になっています。その基盤が成り立っている世界の中で、満たされない環境に陥った場合に、争いが生まれてくると考えられます。「協調」の本質は、非常にシンプルです。基本的に、二つの出来事で成り立っていると考えられます。一つは、「個」が自律性を持って生きていること。もう一つは、「個」が他に与える影響と同等に...
2009.05.27 03:56初夏の八ヶ岳 ~ 良い食品づくりの会4月後半から5月にかけて、八ヶ岳の気温は急にあがり、日中は半そでで過ごせるくらいになりました。しかし、朝夕は涼しく、長袖、カーディガンが必要です。木々の葉も、萩を除いては出揃い、草花もぐんぐんその成長を早めています。庭の草刈も、これから忙しくなります。さて、今週末、清里の清泉寮で、「良い食品作りの会」が毎年行う、「良い食品博覧会」が開かれます。良い食品づくりの会とは、○良い食品の四条件 「なにより安全」 「おいしい」こと 「適正な価格」 「ごまかしがない」○良い食品を作るための四原則 「良い原料」 「清潔な工場」 「優秀な技術」 「経営者の良心」を満たした会員によって組織されている会で、食品の種類ごとにも厳しい基準を設け、その基準にあった食品の認定もし...
2009.05.26 11:46【シリーズ】新しい社会の基本がわかる その5“地域”が基本であること生命の世界では、ある生命が住んでいるその場が、その生命にとっての中心であり、行動範囲の中に、食べるものや飲むもの、住みかの素材が存在し、そして、死んでもなお、その身体は、その土地に還り、新たな生命の基となっていきます。その地域のなかで生命は育くまれ、そこには、生きていくための全てが満たされています。生命が生まれて、死ぬまで、それが自然界全体に対して行う貢献は計り知れません。たとえ、小さな虫であっても、その虫相応の、多大な貢献をしています。その虫の、食べること、動くこと、住みかを作ること、糞をすること、そして、他の虫や動物に食べられること、分解されて肥料になること。生命は、生まれてから死ぬまで、いや、死んでからも、全てのライフステ...
2009.05.21 13:31ホリスティックな考え方を育む今日、ある大学の学長さんと、長時間にわたって、環境と社会の関係について、いろいろと話をお伺いする機会がありました。全体論的立場と還元主義的立場との、違いを認識した上で、環境を語り、社会を語れる人が、まだまだ少ない中、哲学がご専門の先生は、まさにそれを語るに相応しい方であり、そのような方と話ができたのは、久しぶりの、ちょっと嬉しい出来事でした。先生と話をしていて改めて思ったのは、「環境」や「エコ」と言う言葉が、この10年の間に非常に増えてきたものの、その最も根幹となる考え方や、ものの見方が変わっていないために、枝葉末節な議論に陥ったり、本末転倒な研究や政策、活動が、頻発していることでした。例えは、エコ→省エネ、省資源環境→二酸化炭素削減、リサイクル省エネ...
2009.05.19 14:27輝ける人長らくブログの更新が空いてしまって、どうもすみませんでした。ゴールデンウィーク明けから、仕事で八ヶ岳を離れ、街での生活が続いてきました。仕事の一つが最初の佳境を迎え、いろいろ決めたり、調整したり、連絡の取次ぎをしたりの連続で、日中は慌しく過ぎ去り、夜になったら、もうパソコンの前に座る気も起こりませんでした。どちらかというと、少し無機質で、ホワイトノイズのテレビを見ているような日々。社会人になりたてのころ、あまりの忙しさに、目の前の仕事のことしか考えられず、だんだんと、硬直した人間になっていったことを思い出し、今日は、早めに仕事を切り上げました。何とかまだ空に明かりが残り、暗くなる前に最後のさえずりをしている、鳥たちの声を聞いていると、久しぶりに気持ちが...
2009.05.07 12:20【シリーズ】新しい社会の基本がわかる その4必要十分であること ~ 必要最小限のものを、必要なだけ健康な生命の営みでは、全てに無駄が無く、生命の維持に必要なエネルギーは、必要なだけ作られて消費されます。たわわに実っている果実も、種の継承に役立ったものの他にも、動物や虫の食料になったり、土の肥料となったりと、結局は循環する生命系の営みの中で、見事に全てが役目を果たします。捕食動物の代表であるライオンも、おなかが減っているときは、一生懸命獲物をとって食べますが、そうでないときは、目の前に小鹿が通りかかっても、見向きもせずに寝ています。人間以外の生き物は、過剰な欲を持たず、必要最小限なものを、必要なだけ自然界から頂くという、自然界の鉄則のようなルールに従って、生きています。ネイティブインディアンや、日...
2009.05.02 08:10逆転のスパイラル (2)昨日の記事に「システム思考」という言葉が出てきましたが、ちょっとそれについて補足しておきます。お互いがお互いに影響を与え合い、その無数の相互作用の集積で世界は成り立っていると考えられます。経済活動も同様です。その複雑な相互作用の集積である経済を、分析的に完全に把握しようとするのは、所詮無理な話ではありますが、そのような複雑な世界を、何とか理解しようとする努力の一つに、システム思考と言うものがあります。複雑な相互作用の集積の中で、ある程度の重要な要素を把握し、その因果関係の流れを、図解的に理解していく方法です。特に新しいことでもなく、その基本は、「風が吹くと桶屋が儲かる」とほぼ同じです。唯一違うのは、「風が吹くと・・・」は勝手な因果関係をこじつけています...
2009.05.01 03:48逆転のスパイラル (1)最近、日中の仕事がにわかに多くなり、ブログの更新カレンダーが虫食い状態のようになってしまっています。しかし、このブログをお読みいただいている、何か大事なことに気づき、それに従って、未来を創って行くだろう有意の方々に、なるべくお役にたてる記事を書きたいので、その点はご容赦いただければと思います。「新しい社会の基本がわかる」シリーズの途中ですが、仕事の資料の整理をしていたら、昨年の秋に、ある機関に頼まれて書いた原稿だったのですが、紙面の都合上、半分しか掲載されず日の目を見なかった文章が見つかりました。今の社会経済状況の様相を、システム思考的に考えていった文章です。そこで、忘れないうちに、その文章の大事な部分をピックアップして、今日と明日とに二分してアップし...