2019.03.25 13:08自然から学ぶ社会のしくみ(4) ~ 必要なものを必要なだけ・・・健康な生命の営みでは全てに無駄が無く、生命の維持に必要なエネルギーは、必要なだけ作られて消費されます。たわわに実っている果実も、種の継承に役立ったものの他にも、動物や虫の食料になったり、土の肥料となったりと、結局は循環する生命系の営みの中で見事に全てが役目を果たします。捕食動物の代表であるライオンも、おなかが減っているときは一生懸命獲物をとって食べますが、そうでないときは目の前に小鹿が通りかかっても見向きもせずに寝ています。人間以外の生き物は過剰な欲を持たず、必要最小限なものを必要なだけ自然界から頂くという、自然界の鉄則のようなルールに従って生きています。ネイティブインディアンや日本でもアイヌなどの古い伝統の中にも、最小限必要なものを、必要なだけ自然界...
2019.03.24 05:51自然から学ぶ社会のしくみ(3) ~ 自己組織化の条件とはその2では、自然界の自己組織化が新しい社会の一つの基本になる可能性について書きました。それが人間社会において起こりえるのかどうか、起こるとしたらその条件とは何かということが今回のテーマです。自己組織化の本質は「協調」にあります。今回のテーマを“協調的組織”作りのための条件、と言い換えることも可能です。ただし、ここで一つおことわりしておきますが、人間社会にも自己組織化が・・・といっても、学問の世界でいう厳密な意味での決定論的な自己組織化が起こるかということを述べているわけではありません。生物の世界で起こっている自己組織化をメタファーとして、そのメリットが活かされる組織づくりが可能かどうかと言うことです。やや長文ですので、お暇なときにゆっくりとお読みくださ...
2019.03.24 05:32自然から学ぶ社会のしくみ(2) ~ 生命の基礎=自己組織化自己組織化生命の自己組織化とは、生命自身が自らを形成し、それを維持、自己管理していくことです。自己組織化という言葉は、生命だけに使われるものではありません。単なる物質の世界でも起こります。物質の世界で起こる自己組織化の様子は、まるで生物が活動しているかのような活き活きとしたものです。YOUTUBEを探したら、自己組織化の実験の映像がいろいろ出てきました。自己組織化を心にイメージするのにそういった映像はとても役に立ちます。中でも、結構楽しめるものをご紹介します。1) Belousov-Zhabotinsky reactionhttp://www.youtube.com/watch?v=bH6bRt4XJcw
2019.03.24 05:12自然から学ぶ社会のしくみ(1) ~ 生命の智恵から学ぶ地球生命系に関する新しい研究によって、次々にその特徴がわかってきました。その特長にこそ、私たちが地球生命系と共生できる新たな社会づくりのための、大事なヒントが含まれていると言われています。その生命の智恵とは一体どのようなものなのでしょうか。これまでの生物学の主流は、世界はあたかも機械のように出来ていて、それらを細かに分析していけば、世界は把握できるというものでした。これを機械論的な観察などと呼びますが、極めて複雑な世界を、個別な分析だけによって観察しても、それは、例えて言うならば、複雑な立体のある一部分だけを観察したにすぎず、かなり偏った一面的な理解にならざるを得ません。そのために、今の環境問題や健康問題など、様々な問題を引き起こした原因にもなっている...
2019.03.23 11:40"ダイアローグ"="真の対話"をするのに必要な条件とは“ダイアローグ=真の対話”とは、お互いが協調的に考え、語り合うこと。それによって、思い込みや先入観、感情を排除した、より適切な答えにたどり着くことが可能になります。人はそれぞれに、考えていること、知っていること、価値観などが異なります。その差をお互いに理解して、乗り越えていくためには以下のことが必要です。1.お互いに何について話し合うかを明らかにしておくこと2.必要な情報をお互いに共有すること3.お互いは必ず対等な立場で話し合うこと4.相手の意見を決して否定せずに理解に努めること5.意見を言う時はその時に本当に大事と思うことのみを話すこと6.聴くことと語ることとのバランスに気を付けること特に大事なのは3番。年の差があっても、経験の差があっても、お互いに...
2019.03.23 11:37本当の「対話」の真価を生み出すには・・・「真の対話」とは「真の対話」とは、ただ単に語り合うのではく、相手の話すことに傾聴して、お互いの想いや考えを認め合いながら、よりよい答えを追及したり、深い学びを得たりすることを言います。夫婦であっても、友達同士であっても、コミュニティーや職場、果ては国会や国連会議であっても、これを実践できればお互いの関係も変わるし、世界も変わります。何がそうさせるのかといえば、「真の対話」をすることを通じて、人間が本来持つ「良心」が対話の中に反映されてくることです。いま世界で最も必要とされることの一つと言ってもよいでしょう。量子力学の大家の一人だったデビッド・ボームが広めたこの対話の大切さに私が出会ってから、早くも四半世紀が過ぎようとしています。この間、いろいろな場面で試行錯誤を重ねて...