2009.06.30 14:49【シリーズ】新しい社会の基本がわかる その7Boundary ~ ”境界”を意識する“境界”(Boundary)とは、境の向こうとこちらとでは、世界が異なることです。これは、自然界において、いたるところに、当たり前のように存在しますが、そこには、とても重要かつ、深遠な意味が含まれています。例えば、私たちの身体は、細胞壁で囲まれた、一つ一つの細胞で出来上がっています。細胞は、それぞれが分離し、自律した働きをしているものの、お互いに密接な情報交換をし合いながら、協調した働きを行い、それが臓器や脳、筋肉として、非常に効率的で、周囲の環境変化に柔軟に対応できる、そういった身体を形成します。もし、人間の身体が単細胞で出来上がっていたとしたら、決してこれほどまでに、繊細な動きや、様々な外的環境の中で生存する...
2009.06.24 12:21テレビで見られる!ヒューマンスケールを目指す企業この間の月曜日、車とバスと電車を乗り継いで、5時間かけて八ヶ岳から愛知まで行った夜のこと、半分ぐったりしながらテレビをつけると、村上龍さんと対談する、どこかで見た顔が映っていました。それは、つい先週にご紹介した、ヒューマンスケールを目指す企業のひとつ、メガネ21の創業メンバーのお一人でした。取材映像を見る限り、昔以上に、パワーアップして、次々と新たなアイデアを出しながら、極めて民主的で、お互いが思いやり、協力しながら会社を運営できるしくみを、進化させていっているようでした。この創業メンバーの多くは、地元で大手のメガネチェーンに務めていましたが、その会社から解雇された経験をお持ちです。その会社は、多額の内部留保を持っていたにも関わらず、従業員より会社を優...
2009.06.23 12:03Schumacher Collegeを訪れたい方へシューマッハカレッジを体験するには、これまで、ショートコースに参加するか、大学院コースに入学するかしかありませんでしたが、シューマッハカレッジの生活を体験したい人のための、特別な企画があるとのお知らせが来ました。7月の12日から17日までの約一週間、「Summer Celebration ~ Land,peple,ideas」というイベントがシューマッハカレッジであります。この一週間の間、シューマッハカレッジに泊まりながら、学校や母体のダーティントンホール財団が催す、いろいろな催しに参加できる企画です。シューマッハカレッジでは、料理教室、近隣の森やダートムーアなどの散策のほか、ホリスティックサイエンスの専任講師のステファン・ハーディングや、ブライアン・...
2009.06.19 03:34虫歯菌も共生していた私の子供が生まれる少し前に、テレビのニュースを見ていたら、虫歯菌は、もともと赤ちゃんの口の中には無く、生後から3歳くらいまでの間に、親や他人からうつされるもの、という内容をやっていました。口の中には、多数の細菌が常に存在し、それは、3歳くらいまでに、どの菌がどのくらいの割合で生息するかが固定してきて、全体の菌のバランスが決まるのだそうです。そこに、虫歯菌が混入していたら、一生にわたって、虫歯菌が一定割合で存在する口になってしまう、とのことでした。人間の皮膚のいたるところにも、様々な菌が生息しており、そのバランスが保たれていることで、私たちも健全な生活を維持できていることが知られています。そのバランスが崩れたときに、皮膚病などの異常が現れます。それは口の...
2009.06.16 03:59ヒューマンスケールを目指す企業スモール・イズ・ビューティフルで知られる、経済学者シューマッハは、「全てのものには、適切なサイズがある」と、その著書に残しています。会社組織などの場合、お互いの顔が分からない程度の規模では、お互いの意思疎通もないし、現場と管理者との距離が離れ、意思決定と現場との間にギャップが生じてしまいます。そうなると、企業運営の上でも、環境の変化への対応や、しっかりした自己管理に支障を生じます。会社組織であれば、ヒューマンスケールであること。それが、働く人や健全な会社運営のために、大事であることを、シューマッハは述べています。そういったことに気づいて、一つの企業形態のモデルを作ったのが、京セラです。そのアメーバ経営といわれる手法は、会社の中を、数名から、多くても20...
2009.06.15 03:53働く「個」を大切にする会社先日、テレビでユニクロの柳井社長の、インタビュー番組がありました。柳井社長は、米国の経営学者の、ピーター・ドラッカーに傾倒し、その考えを積極的に経営に取り入れてきたそうです。それが、柳井社長の経営の基本となり、ユニクロの成功の基礎となった、ことについての番組でした。インタビュアーは勝間和代。若かりし頃に一緒に働いていた同僚としては、なぜか当時を思い出し、老“爺”心ながら、次に何を言い出すのか心配で、大丈夫かな~と思いながら見てしまいます。それはさておき、柳井社長がドラッカーから影響を受け、経営に生かしていたことの一つに、「社員を大切にすること」をあげておられました。例えば、ユニクロは、障害者の雇用が実に8.02%。約12人に一人が障害者です。障害者でも...
2009.06.11 03:55Transition Town と Organizing America5年くらい前だったと思いますが、その昔、留学時代にお世話になった、イギリスのトトネス在住のHさんから、クリスマスカードがきました。そこには、その街で始まった新しい環境活動のことが、びっしりと書いてありました。その内容は、トランジションタウン・トトネスという、ピークオイルと気候変動とに対しての、解決にむけた運動を、地域の仲間で立ち上げ、精力的に活動しているということでした。それから年月が過ぎ、トランジションタウン・トトネスの活動は、イギリス国内だけで100箇所を超え、国境を越えてトランジションタウン活動として、広く知られるようになりました。ふと気づくと、日本でも、トランジションタウン活動の勉強会が開かれ、どうやら日本でも何箇所かで、活動を始めた地域が出て...
2009.06.10 03:55「踏み絵」としての郵政社長問題そろそろシリーズの続きを書かなければなりませんが、今日は、時事ものの話を一つ。日本郵政社長人事がもめていますが、現社長の留任に賛成している人、反対している人、と様々です。国政を担うキーパーソンたちが、それぞれにどちらの立場かは、今後のために、よく覚えておいた方がよさそうです。多くの人がすでに気づいているように、郵政民営化の発端は、アメリカからの圧力でした。日本郵政がもし完全に民営化されていたなら、預金者が知らないうちに、その預金は、米国の金融機関やファンドの金融商品に投資され、昨年の金融危機で、多額の損失を負っていたことでしょう。或いは、もしかしたら、金融の破綻を延命するための資金に、あてられていたかもしれません。どちらにしても、預金は消滅する運命です...
2009.06.09 03:57Transparency ~ Open Government Operation行政担当者、政治に関わる人にとって、いま、必見のブログは、間違いなく、“Whitehouse Gov. Blog”でしょう。オバマ大統領が行っていることについて、その日のうちに、解説付きで最新情報が提供されています。オバマ大統領は、グリーンニューディールを推し進めるのと並行して、“Transparency; Open Government Operation”という、これまでベールに包まれていた米国の政治、行政の、透明性を強力に推しすすめるプロジェクトを行っています。このプロジェクトでは、“Open Government Brainstorm”とネーミングし、ネットをフルに使って市民から意見を募ったり、“Online Dialogue with Gov...
2009.06.08 11:57オール電化の時代、電磁波は大丈夫か?テレビで電気自動車の取材をしていました。三菱自動車の電気自動車の開発拠点が、いま私が来ている街にあり、テレビに出てきた車のナンバーからも、取材もこの街で行われたようでした。いよいよ電気自動車の時代の到来なのかもしれません。ただ、一つ気になるのは電磁波の問題。その昔、糸川英夫先生がご健在だったとき、リニアモーターカーの開発に際して、電磁波の健康問題を提起されていたのを思い出します。それは、今でも重要な問題として残っています。10年くらい前のことですが、いわゆる電磁波測定器で、いろいろなものの電磁波を測定したことがあります。その中で、測定器が振り切れたものが3つありました。それは、よく言われている、電子レンジや携帯電話、高圧電線ではありませんでした。一つ目...
2009.06.05 03:59絶妙なタイミングこのまえの日曜日。最近、毎週500キロの、高速道運転をしていることから、ちょっと気になって、いつも御世話になっているガソリンスタンドでタイヤの空気圧を調整してもらったところ、「タイヤが劣化して側面に細かいヒビが入っていますよ、そろそろ取替えの時期ですね」と、タイヤの交換を促されました。確かに、多数のヒビが確認できたので、その場でタイヤの注文をしておきました。でも、今週も愛知で仕事で、取替えは愛知から帰った後の土曜日にしました。そして八ヶ岳に帰る予定だった今日、日中に仕事を終えて、夜に中央高速を走って帰るつもりをしていましたが、朝、会社に行こうと車に乗ろうとすると、なんと夜中のうちに、前輪の片側のタイヤの空気が抜けて、パンクしていました。本降りの雨の中、...
2009.06.04 04:00より透明性の高い金融制度へ16、7年前くらいだったかと思いますが、時々、このブログでご紹介させていただいている、金融の専門家「竜河」さんに誘われて、虎ノ門のビルの一室で行われた、ある国会議員の方による、勉強会に参加したことがあります。それは、世界金融の要である、ドルの正体についてのものでした。その老齢の国会議員が教えてくれた、ドル紙幣が意味するところは、結構オドロオドロしいものでありました。その後、インターネットの発達や、この点についての本も出てきたことから、今は、かなり多くの方が、その正体を知るようになってこられたと思います。ここ最近、経済危機も峠を越したとの見解をもつ、経済人、メディアが多くなりました。しかし、ドルにまつわる、極めてゆがんだ世界金融による弊害が、取り除かれて...