2009.02.27 02:46お金の本質丁度10年前に書いた、私の学位論文からの引用です。当時、担当教授をはじめ、学内でも、ランチ時の話題になった一節となりました。Basically, money should come into existence when an exchange of goods or services occurs. Owing to the invention of money, we have obtained freedom of exchange in time, location and variety of exchange. This might be the nature of money. But during this age of capital...
2009.02.26 03:55シャーロックにならないために子供時代にシェークスピアの「ヴェニスの商人」を読んで、冷酷な金貸しのユダヤ人であるシャーロックと、利子を付けずにお金を貸し、慈愛に富むアントニオとを比べて、シャーロックの方に愛着を感じる子供は少ないでしょう。しかし、現実は、一部のイスラム金融、コミュニティーバンクなどを除いて、世界の金融機関のほとんど全てが、まさにシャーロックそのものとなっています。そして、社会自体もそれが正しいものとして認めています。今の世の中は、心が求める世界と、現実とが、まさに正反対のごとくに異なっている、摩訶不思議な世界です。私自身も例外ではありません。学校を出て、米国系の経営コンサルティング会社に入り、当時は米国流こそが一番とばかりに、いかに利益を上げるか、いかにコストを削減...
2009.02.25 07:28ベーシックインカム今、参加しようかどうしようか考えているセミナーがあります。それは、3月8日に船堀(都営新宿線)である、「ベーシックインカム」についての勉強会です。10年前にイギリスでベーシックインカムの考え方を知ってから、その、生活に必要な基本的なお金を無条件に配布するという、人々の真の幸福の実現を、ぐっと身近に引き寄せてくれる制度に、関心をもっていました。しかし、こういった制度には、働かない人が増えるのではないかとか、その財源はどうするのだとか、アレルギーのように反射的に反対する人も少なくなく、日本での実現は相当先のことになるのではと思っていました。ところが昨年あたりから、山崎元氏のブログや、ホリエモンこと堀江氏のブログで、好意的に取り上げあられ、さらには田中康夫氏...
2009.02.24 03:07金融リフォーメイション 第二幕のはじまり先週あたりから、米国の金融をめぐって、また動きが活発化しはじめている感じがします。シティーバンクの国有化、AIGの経営不安の再燃、それに反応した米国株価の急落。一昨年のサブプライム問題の表面化を、オペラの前奏曲と例えるならば、昨年のベアスターンズ、AIG、リーマンブラザースが第一幕。そしてこれから、いよいよ「金融帝国の終焉」が決定的になる、第二幕が始まるのでしょう。もし、この一大オペラが第五幕まであるとしたら、複雑で専門分化した世界の金融システムは、一部の人たちの権力や機関の恣意性が入らない、かなり抜本的で、透明性の高いものに一新されることになるでしょう。そして最後は、お金を第一に考えなければならなかった時代が終わり、お金が水や空気のような存在となる時...
2009.02.23 08:02Photos of the Day全体的に不景気とは言われつつも、それは、これまでの主流の流れでのことであり、売れない産業がある一方で、にわかに活況を呈している産業も多いようです。つまり、社会全体が落ち込んでいるわけではなくて、これまでの主役が、新たな主役に入れ替わる、構造的な転換期と考えたほうが正確なのかもしれません。時々チェックしている、The Christian Science Monitorのサイトのイノヴェーションのページに、プラスチックに替わるバイオ素材の開発に成功した、ドイツの企業の記事がありました。その横には、アメリカで進みつつある、新しいエネルギーネットワークと巨大な風力発電網を構築する記事。どちらも、20世紀の主役だった化石燃料の終焉を告げているようです。ちなみに、...
2009.02.19 02:52「回帰する未来」~ 谷口正和氏日本の神話についての本は、いままで幾つか読みましたが、納得のいく解釈のものはありませんでした。その多くが、古代と現代との、人類の意識の進化を考慮していないからです。西洋の神話については、昨日のブログでも取り上げた、「人類の歴史」が非常に良かったこともあって、逆に、日本における本当の歴史を書いたものが、読みたくなりました。そこで、ちょっと調べていくうちに、かつて私が20代だったころ、私にとって、カリスマ的存在であった、ジャパンライフデザインシステムズの谷口さんのブログに、そういった本の紹介が書かれていました。著者は元京都大学教授 上田正昭氏、谷口さんの恩師だそうです。日本人“魂(タマ)”の起源上田 正昭情報センター出版局このアイテムの詳細を見る谷口さんと...
2009.02.18 09:50人類はどこから来て、どこに進むのかかつての人類は、神々や精霊の存在を感じながら、日々の暮らしや、旅をしていたそうです。神話は、現代人の感覚そのままの解釈では、まるで理解不能な辻褄の合わない世界ですが、神々を大宇宙の諸力の変化ととらえなおし、それを私たちの先祖が、擬人化して表現したと考えるなら、そこに壮大な人類と地球の変化の歴史が見えてきます。銀河の超長期の時間の流れの中で、地球を取り囲む大宇宙の諸力は変化し、地球をはじめ、人間の姿や意識のあり方は、現代人の想像をはるかに超えて変化し、進化してきたそうです。そして、現代に近づくにつれて、人間が自分自身に気づき、自我を獲得していくのと同時に、人間は神々や精霊の存在を感じることはなくなり、神々から離れたばかりでなく、自然や他人、さらには家族か...
2009.02.18 02:43フランスから観たアメリカの経済BSで夜9時すぎから始まる世界のドキュメンタリーは、月、火曜とも、フランスのプロダクションが作った、アメリカの金融経済に関するものでした。アメリカではなく、フランスが客観的にアメリカの金融を取材しているので、なかなか興味深い内容でした。昨晩は「ドル」の歴史に関するもので、かつてドルは、様々な銀行が発行して1000種類以上も流通していた話や、20世紀に入ってからアメリカは、ヨーロッパが戦争で疲弊したのを横目に、ドルを基軸通貨として、世界の金融の支配者として、やりたい放題をしてきた話、ドル紙幣とフリーメイソンの関係など、いろいろと出てきました。インタビューされた人も、ガイトナー財務長官、ポール・ボルガー元FRB長官、トルシエ欧州中央銀行総裁、ジョージ・ソロ...
2009.02.17 03:30かんぽの宿はなぜ1000円だったのかかつてコンサルサルティング会社時代に仲の良かった友達J君がシカゴ大学のMBAに留学し、そのときに、「この本はおすすめだよ」と教えてくれたのが、たしか「Corporate Value」と言う本でした。それは、企業の売買を行う際に、企業の値段を決めるために用いるDCFという算出法の手引書でした。いま話題の「かんぽの宿」ですが、1000円などと言う破格の値段を、なぜ日本郵政やそのアドバイザーをしているメリルリンチが正当な価格としていたかといえば、このDCFがその根本的な原因でしょう。DCFとは、Discount Cash Flowの略で、一言で言えば、その企業が未来に稼いで増えるキャッシュフローを、現在価値として割り引いて、今売買する値段を決めるものです。さ...
2009.02.16 00:43自然の息づかいが感じられる場所清里の標高1400メートルあたりの森の中に、神聖な、自然の息づかいが感じられる特別な場所があります。八ヶ岳の森は、大泉から小淵沢にかけては以前に大きな山火事があったことから、自然林は消えてカラマツと松が中心の人工林となってしまいました。しかし、清里の森は、その大火が及ばず、昔からの自然の森が残っています。道路から離れて雑木林を分け入り、しばらく歩くと、突然、目の前に通称「ヌシの木」と言われる大木が現れます。周囲には、ほかにも大きな木が取り囲むようにあり、ここの場所には、なにか特別な空気が流れていることを感じさせてくれます。森の中の道なきところを歩いていると、ヌシの木の周囲のように特別な感じがする場所や、逆に、とても雑然として早く通り過ぎたいと感じる場所...
2009.02.15 01:51あたたかな冬の八ヶ岳 ~ 新エネルギー政策今日の八ヶ岳は、朝からさわやかな春の日差しが降り注ぎ、柔らかな空気が頬をなでるような日です。例年なら3月の半ばでないと見られない鳥が庭に訪れ、枯れ草の間に落ちている小さな実や虫たちをついばんでいきます。カマキリの卵が高いところに産み付けられていると、その冬は大雪になる。と、よく言われます。実は昨秋に、近くでカマキリが高いところに卵を産んでいたのを見たといった話を聞き、この冬は大雪を予想していたのですが、全くはずれだった感じです。前回の冬には、松などの針葉樹以外は全く緑が消えたのですが、今年はいくつかの種類の広葉樹は真冬になっても緑の葉をつけています。これまでの冬には考えられなかった現象です。以前のブログにも書きましたが、地球が暖かかくなる現象は、二酸化...
2009.02.13 00:29ホリスティック・エコノミー まだその詳細は発表されていませんが、シューマッハカレッジが“MSc in Holistic Economies”という、経済を主体とした新しい大学院の修士過程を新設するようです。開設以来11年目に入った“MSc in Holistic Science”は、どちらかというと、ホリスティクな視点、考え方と、地球生命系の基本システムとの理解に重点を置いていますが、シューマッハカレッジ自体がエコロジーやサステイナブル経済をテーマにしているためか、未来の経済、社会のあり方に興味をもって来る学生が結構多いこともあって、このような新たなコースが新設されることになったのだと思います。実は私もその一人だったので、このコースがどのようなものになるのか、とても興味があります...